- 沖縄4日間で4つのクラフトビールスポットを巡ってきた
- 北谷・コザ・那覇空港、エリアごとに個性が全く違って面白い
- 知らない店ではまずテイスティング1杯から。これが鉄則
以前沖縄に住んでいて、今も定期的に通っています。来るたびに新しいブルワリーやビアバーが増えていて、この島のクラフトビールシーンは本当に面白くなりました。
現地でもらったこのマップを見てください。北部から離島まで、ブルワリー・ビアバー・ボトルショップがぎっしり。オリオンビール一択だった沖縄に、ヘリオス酒造、AgariHama Brewery、浮島ブルーイング、Cliff Beer Brewingなど個性的なブルワリーが次々と生まれています。
2025年6月、4日間かけて沖縄のクラフトビールスポット4店を巡ってきました。北谷のビアパブ、コザの一番街、そして那覇空港まで。
うち1店舗(AgariHama Brewery)はすでに別記事で書いているので、この記事では残り3店舗を詳しくレビューします。
- 【Day1】北谷・Beer Rize クラフトビール酒場 ― マスターと語るビールの本音
- 【Day2】AgariHama Brewery ― 詳しくは別記事で
- 【Day3】コザ・HOPPED UP ― 店長とホップを語る夜
- 【Day4】那覇空港・HELIOS NAHA airport Brewery ― 空港で醸造したてを飲む贅沢
- 【おまけ】ヘリオス・ゴーヤドライ ― 沖縄をまるごと飲む
- クラフトビール初心者が失敗しないためのテイスティング3原則
- 3店舗の情報まとめ
- 関連リンク
- あわせて読みたい
- Untappdでビールの評価を効率よくチェック
- 沖縄のクラフトビールをお取り寄せ
- まとめ ― 沖縄クラフトビールは「テイスティング」で攻めるべし
【Day1】北谷・Beer Rize クラフトビール酒場 ― マスターと語るビールの本音
北谷の宮城エリアにあるBeer Rizeは、2012年オープンの国内ブルワリー特化型ビアパブです。
沖縄のブルワリーWOLF BRAUを公式パートナーに据え、さらに全国各地から厳選したクラフトビールを11種ドラフトで提供しています。海外ビールの樽も仕入れられる環境にありながら、あえて日本国内のクラフトビールにこだわるというコンセプト。ボトルショップも併設されていて、缶や瓶の持ち帰りもできます。
黒板にずらりと並ぶタップリストは全11種。全国各地のブルワリーから仕入れたビールが揃います。
ちなみに沖縄では350ml缶の流通が少なく、海外ビールは500ml缶が主流。住んでいたときも知らなかった流通事情です。
テイスティング3種で飲み比べ
今回はテイスティングセットで3種を注文しました。手書きのメモカードを添えてくれるのが嬉しい。
ヘーフェヴァイツェン(大山Gビール・鳥取)ABV 5.5%
ヒューガルデンに近い印象。メニューにはバナナ・クローブ香と書かれていましたが、正直そこまではっきり感じ取れませんでした。小麦系が続くと飽きがちですが、1杯目としてはちょうどいい軽さ。
アンバーエール(スワンレイクビール・新潟)ABV 5%
麦芽の香りがしっかり感じられて、お茶を飲んでいるような落ち着く感覚。苦味もほどよく、これはかなり好みでした。スワンレイクビールは安定して美味しい印象があります。
スルガベイ インペリアルIPA(ベアードブルーイング・静岡)ABV 8.5%, IBU 90
3種並べると、ホップの香りが段違いに立っているのがわかります。IBU 90と聞くと相当苦そうですが、実際は数値ほどの苦味は感じません。原材料に糖類が入っているので、そのぶんさっぱりとした飲み口に仕上がっているのかもしれません。
以前飲んだゴールデンラビットの「ちはやふる」はIBU 55でかなり苦く感じたので、IBUの数値=苦さではないという良い例です。
マスターから聞いたクラフトビール業界の本音
Beer Rizeのマスターはとにかく話好きな方で、ビールの知識を持って訪れると会話がどんどん広がります。
印象に残ったのは「クラフトビールを作る人は増えたけど、美味しいかは別の話」という言葉。
最近はブルワリーを開業する人が増えていますが、経験が浅い段階でも1杯700〜800円で提供されています。ベテランと同じ価格帯で売られているので、「クラフトビールだから美味しい」という先入観は捨てたほうがいいというのがマスターの意見。
この考え方は自分もすごく共感しました。知識をつけながら、テイスティングで確かめる。その繰り返しが一番の近道です。
フードもしっかり美味しい
粗挽きソーセージは粒マスタード付き。肉厚でバリバリした食べ応えと酸味が合わさって堪りません。ビールとの相性は言うまでもなく最高です。
ボトルショップの冷蔵庫には国内外のクラフトビール缶がぎっしり。家飲み用に持ち帰るのにもぴったりです。
【Day2】AgariHama Brewery ― 詳しくは別記事で
2日目はAgariHama Breweryへ。こちらは別記事で詳しくレビューしています。
【Day3】コザ・HOPPED UP ― 店長とホップを語る夜
3日目はコザの一番街商店街へ。HOPPED UPは「BEER & MUSIC」を掲げるクラフトビール専門店です。同じコザエリアにあるFILL BREWINGの店主とは友人同士で、このあたりはクラフトビール好きにはたまらないエリアになりつつあります。
外観からしておしゃれな雰囲気。
タップは10種類。国内外のブルワリーから厳選されたラインナップが揃っています。オンラインストアも運営していて全国配送に対応しているので、気に入ったビールを自宅で楽しむこともできます。
テイスティング3種 ― モザイクホップとの格闘
#6 Buncho(Inkhorn Brewing・東京)West Coast IPA
正直に言うと、このビールのホップの香りがめちゃくちゃ苦手でした。傷んだバターのような、独特のフレーバー。店長に聞くとモザイクホップを使っているとのこと。
以前、北谷ハーバーブルワリーのラガーでも似た香りを感じたことがあり、自分はモザイクホップが多めに使われたビールが苦手なのだと確信しました。
こういう発見があるから、テイスティングはやめられません。好き嫌いを言語化できるようになると、次に選ぶビールの精度が上がります。
#7 New鬼ヶ島(Y.Market Brewing・愛知)Hazy IPA, ABV 9%
これは文句なしに美味しい。ジューシーで華やかな香り。US Mosaic、Citra、Amarilloのホップ使い。
「モザイク苦手って言ったじゃん」と思われそうですが、ここでは他のホップとのブレンドが絶妙で、単体で感じたときほどの違和感がありません。Y.Market Brewingは以前名古屋の醸造所を訪問したときも感じましたが、やっぱり安定して美味しいブルワリーです。
度数9%と高めなので、強めのビールを1杯だけグッと飲むのが一番合います。
#8 Revi Rice Cold IPA(Cliff Beer Brewing・沖縄)ABV 6.5%
名前の通り米を多めに使ったCold IPA。ラガーっぽいさっぱり感とキレがあります。
Cold IPAとはラガー酵母で発酵させたIPAのこと。米を使うことでボディが軽くなり、ドリンカビリティが高い仕上がりになっています。このビールにはモザイクホップが使われていないと感じて店長に確認したら、やっぱり使っていないとのこと。答え合わせができると理解が一気に深まります。
カマドブルワリーが繋いだ偶然の出会い
HOPPED UPで飲んでいたら、隣に座っていた方と話が弾みました。聞けば名古屋から来ていて、弟さんがカマドブルワリーで研修を受けているとのこと。恵那でブルワリーを開業する予定だそうです。
実は自分もその前の週にカマドブルワリーを訪問したばかりだったので、一気に話が盛り上がりました。
見た目がめちゃくちゃ沖縄の人っぽかったので、名古屋と聞いたときは驚きました。クラフトビールが繋ぐ縁って面白いですね。
【Day4】那覇空港・HELIOS NAHA airport Brewery ― 空港で醸造したてを飲む贅沢
4日目は那覇空港へ。国際線エリア4階にあるHELIOS NAHA airport Breweryは、日本初の空港内ブルワリーです。ヘリオス酒造が運営し、2022年12月にオープンしました。
ガラス越しに見える醸造タンク。空港の中でビールを造っているという事実がまず面白い。「空港醸造」マークが付いたビールはここでしか飲めない限定品です。
カウンターには大きな樽がシンボルとして置かれ、ヘリオス酒造の泡盛やラム酒も並んでいます。
ビアフライトセットで3種飲み比べ
ビアフライトセットは¥1,550(税込・2025年6月時点)で好きな3種を選べます。ふらっと立ち寄ってもちょうどいいボリューム感。
今回選んだのはシークヮーサーホワイトエール、アメリカンアンバーラガー、ショコラエールの3種。白・琥珀・黒のグラデーションが美しい。
シークヮーサーホワイトエール(ABV 5%)
小麦麦芽をベースに沖縄産シークヮーサーを加えたフルーツウィートエール。最近小麦系のビールに少し飽きを感じていたのですが、シークヮーサーが加わるだけで印象がガラッと変わります。フルーティーですっきりとした飲み口。
アメリカンアンバーラガー(ABV 5%)
岩手県一の豪雪地帯・西和賀町の天然水で仕込んだクラフトビール。今回巡った中で一番好きだったビールです。アンバーらしいコクと豊かなアロマがありながら、ラガーならではのスッキリしたキレがあります。
ショコラエール(ABV 5.5%)― 空港限定
チョコレートモルトを使ったビタースイートなエール。甘すぎず、ローストの香ばしさが心地よい。デザート代わりの1杯にぴったりです。
イギリススタイルのIPAという新鮮な体験
フライトセットの後に追加で注文したのがIPA。空港醸造限定のイギリススタイルです。
飲んでみると、アロマもフレーバーもアメリカンIPAとはまるで別物。華やかなホップの香りというよりは、モルトの存在感があってラガーに近い後味。
普段「IPA」と聞くとアメリカンスタイルを期待するようになっていますが、IPAの原点はイギリスなんですよね。自分はアメリカンIPAのほうが好みですが、こういう違いを体験できるのは空港ブルワリーならではの面白さです。
洋ナシと黒糖のデザートピザ
フードメニューも空港ブルワリーらしいラインナップ。洋ナシと黒糖のデザートピザを注文しましたが、ビールとの組み合わせが意外と合います。
カウンターには麦芽のサンプルが試験管風に展示されていて、ヴァイツェン・ピルスナー・メランジ・ブラックモルトの違いを目で見て楽しめます。こういう演出があると「ビールってこうやってできてるんだ」という実感が湧きます。
【おまけ】ヘリオス・ゴーヤドライ ― 沖縄をまるごと飲む
空港のHELIOSで見かけたゴーヤドライ。気になって缶を買って帰り、自宅で飲んでみました。
ヘリオス酒造が製造する発泡酒で、ABV 5%、350ml。原材料は大麦麦芽、ホップ、糖類、そしてゴーヤー果汁。
飲んでみると、まずホップ由来の苦味がきて、その後からゴーヤ特有の青い苦味が追いかけてきます。この「苦味のタイムラグ」が面白い。好き嫌いは分かれそうですが、沖縄感を味わうという意味ではこれ以上ないビールです。
オリオンビアナッツと一緒に飲んだら最高に合いました。ゴーヤの苦味とナッツの塩気が絶妙なバランス。県外の方へのお土産にも、ゴーヤドライとビアナッツのセットはかなりおすすめです。
クラフトビール初心者が失敗しないためのテイスティング3原則
今回の旅で改めて実感した、知らない店でクラフトビールを楽しむための鉄則をまとめておきます。
① まずテイスティング1杯から入る
クラフトビールは1杯700〜800円。いきなりパイントで頼んで口に合わなかったときのダメージが大きいです。テイスティングセットがある店なら迷わず選びましょう。
② 好き嫌いを言語化する
「なんとなく苦い」ではなく「モザイクホップの香りが苦手」「アンバー系のモルト感が好き」と具体的に言えるようになると、次に選ぶビールの精度が格段に上がります。店員さんに伝えれば、好みに合う1杯を提案してもらえることも。
③ 缶はまとめ買いしない
ボトルショップで「ジャケ買い」したくなりますが、3本まとめて全部ハズレという経験は珍しくありません。まず1本試して、気に入ったら買い足す。これが鉄板です。
3店舗の情報まとめ
Beer Rize クラフトビール酒場
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 沖縄県中頭郡北谷町宮城1-464 1F |
| 営業時間 | 18:00〜24:00(Food L.O 22:30 / Drink L.O 23:30) |
| 定休日 | 毎週月・火、1/1〜1/3 |
| 電話 | 098-911-2278 |
| 駐車場 | 店舗に要確認 |
| アクセス | 車:那覇空港から国道58号線で約40分。路線バス:「北谷」バス停から徒歩約10分 |
| 備考 | ボトルショップ併設(同時オープン)。公式パートナーブルワリーはWOLF BRAU |
※営業時間・定休日・価格は変更の可能性があります。最新情報は公式サイトやInstagramをご確認ください。
HOPPED UP
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 沖縄県沖縄市中央1-7-5-102 |
| 営業時間 | 火〜木 15:00〜22:00 / 金・土 15:00〜24:00 |
| 定休日 | 日・月 |
| 駐車場 | なし(3,000円以上で胡屋地区指定駐車場1時間無料券あり) |
| アクセス | 車:那覇空港から国道330号線で約40分。路線バス:「胡屋」バス停から徒歩約5分 |
| 備考 | オンラインストアあり(全国配送対応)。一番街商店街内 |
※営業時間・定休日・価格は変更の可能性があります。最新情報は公式サイトやInstagramをご確認ください。
HELIOS NAHA airport Brewery
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 沖縄県那覇市鏡水150 那覇空港国際線エリア4階(4W-02) |
| 営業時間 | 11:00〜20:00 |
| 定休日 | 無休(施設に準ずる) |
| 電話 | 090-8746-1996 |
| アクセス | 那覇空港国際線エリア直結。ゆいレール「那覇空港」駅から徒歩約5分 |
| 備考 | 日本初の空港内ブルワリー(2022年12月オープン)。ビアフライトセット¥1,550(税込・2025年6月時点) |
※営業時間・定休日・価格は変更の可能性があります。最新情報は公式サイトやInstagramをご確認ください。
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Untappdでビールの評価を効率よくチェック
クラフトビール選びで失敗したくないなら、Untappdのレーティングを参考にするのがおすすめです。以下のChrome拡張を使うと、評価順にソートできて便利です。
沖縄のクラフトビールをお取り寄せ
ヘリオス酒造のビールはAmazonや楽天、公式オンラインショップで購入できます。ゴーヤドライは話のネタにもなるので、県外の友人へのプレゼントにもおすすめです。
まとめ ― 沖縄クラフトビールは「テイスティング」で攻めるべし
4日間で沖縄のクラフトビールスポットを4つ巡りましたが、どの店にもそれぞれの個性がありました。
- Beer Rize(北谷) ― 国内ブルワリー特化+WOLF BRAUパートナー。マスターとの会話で知識が深まる
- HOPPED UP(コザ) ― 一番街でBEER & MUSIC。店長にホップの種類を聞けるのが楽しい
- HELIOS(那覇空港) ― 日本初の空港内ブルワリー。フライト前に醸造したてを飲める贅沢
共通して感じたのは、知らない店ではまずテイスティングから入るのが大事だということ。テイスティングで好みを言語化し、次に選ぶビールの精度を上げていく。この繰り返しがクラフトビールを一番楽しむ方法だと改めて実感しました。
沖縄のクラフトビールシーンはオリオン一択の時代からは想像もつかないほど多彩になっています。北谷・コザ・那覇空港と、エリアごとにまるで違うビール体験ができるのがこの島の面白さです。