- リンデマンスは1822年創業のベルギー・ランビック醸造家。1979年のクリークでフルーツランビックを世界に広めた
- 3種で味わいが全然違う。クリーク=ジューシーな甘酸っぱさ、ペシェレッセ=ピーチの酸味、ファロ=カソナードの甘い乳酸系
- ランビック初心者にはクリークが入りやすい。慣れたらペシェレッセ・ファロで「自分の好みの酸味」を探るのが楽しい
クラフトビールを飲み歩く中で、たまに無性に飲みたくなるのがベルギーのランビック。
ランビックは、ブリュッセル周辺だけで仕込まれている自然発酵ビールです。野生酵母と乳酸菌で発酵させるので、普通のビールとはまったく違う甘酸っぱさが出ます。中でも世界で一番有名なのがリンデマンス(Lindemans)。1822年から続くベルギーの老舗醸造家で、1979年にチェリーを漬け込んだ「クリーク」を世に出し、フルーツランビックを世界中に広めた立役者です。
2025年の春から夏にかけて、リンデマンスのランビック3種を別々のタイミングで飲む機会があったので、まとめてレビューします。Kriek(チェリー)・Pêcheresse(ピーチ)・Faro(カソナード入り)の3種です。
リンデマンスの3種は、フルーティーで飲みやすいものから、本格的な酸味のクラシックランビックまで揃っているので、自分の好みのランビックを探す出発点として最適です。
- リンデマンスってどんな醸造家?
- ランビックってどんなビール?
- 飲んだ3種正直レビュー
- 3種飲み比べでわかった「自分のランビックの好み」
- リンデマンスはどこで買える?
- Untappd Rating Sorterでベルギービールを効率的に探そう
- あわせて読みたい
- よくある質問(FAQ)
- 今回紹介した商品・関連商品
- まとめ
リンデマンスってどんな醸造家?
リンデマンスは1822年創業、ベルギー・フランドル地方Vlezenbeek(フレゼンベーク)に本拠を置くランビック醸造家です。年間生産量は約75,000hL、ファミリー経営で現在は5代目のDirkとGeert兄弟が運営しています。1978年にFaro、1979年にKriekを世に出し、フルーツランビックを世界に広めた立役者として知られています。
ブリュッセル南西の小さな町Vlezenbeekにある醸造所。創業から200年以上、5代にわたるファミリー経営です。
1979年に発売したKriekは「フルーツランビックを世界に広めた」と評されるほどの大ヒット。それまでは地元ベルギーで細々と飲まれていた自然発酵ビールに、純粋なチェリーを漬け込み軽く加熱処理することで保存性と飲みやすさを両立させました。
ランビックってどんなビール?
ランビックはブリュッセル周辺だけで仕込まれている自然発酵ビールです。生小麦を使い、開放発酵タンクに空気中の野生酵母(Brettanomyces等)と乳酸菌・酢酸菌を取り込んで発酵させ、木樽で長期熟成させて作られます。ホップは数年寝かせた古いものを苦味ではなく抗菌目的で使うのが特徴です。
普通のクラフトビールが「狙った酵母を投入して発酵させる」のに対し、ランビックは空気中の野生酵母と乳酸菌に任せる「自然発酵」。仕込む場所と季節を選ぶ、世界でもかなり特殊なスタイルです。
ベースランビックに果実を漬け込むとKriek(チェリー)・Framboise(ラズベリー)・Pêcheresse(ピーチ)等のフルーツランビックに、カソナード(ベルギー産粗糖)を加えるとFaroになります。
飲んだ3種正直レビュー
リンデマンスのランビック3種を時期を分けて飲み比べた結果、味の方向性は完全に別物でした。クリーク(2025年3月)はジューシーなチェリージュース寄り、ペシェレッセ(2025年5月)はピーチの酸味中心、ファロ(2025年7月)はショワっと刺さる乳酸系の酸味。ランビック初心者にはクリーク、慣れた人にはファロが刺さる構成でした(2026年6月時点)。
Lindemans Kriek(チェリー)— 2025年3月
| 項目 | スペック |
|---|---|
| スタイル | チェリーランビック |
| ABV | 3.5%(日本流通版・250ml) |
| ベース | ランビック + チェリー(果実を漬け込み) |
| 発売年 | 1979年 |
リンデマンスの看板にして、フルーツランビックを世界に広めた一本。専用グラスに注ぐと、透き通った深い赤色とふわっとした白い泡が立ち上がります。
口に含むと、ジューシーな甘酸っぱさが一気に広がります。フルーティーで分かりやすい、これは美味しい。
ただ、ここまで来ると正直ビールというよりジュースに近い感覚もあります。これはこれで完成度が高いんですが、飲み終えた後に「苦味のあるビールが飲みたくなる」のがクリークあるある。
おすすめ度:★★★★☆ ランビック初心者・甘いお酒が好きな人には満点。ただし「ビールを飲んでる感」を求めるなら次の一杯と組み合わせるのが吉。
Lindemans Pêcheresse(ピーチ)— 2025年5月
| 項目 | スペック |
|---|---|
| スタイル | ピーチランビック |
| ABV | 2.5% |
| ベース | ランビック + ピーチ |
| 公式説明 | 「Bright and golden, ... Brewed with an abundance of peaches」(Lindemans公式) |
注ぐと、名前の通り明るい黄金色。クリークほどフルーツの色が前面に出ていないので、見た目は普通のビールに近い印象です。
味わいは、ピーチの香りはちゃんとあるのにクリークほどの甘さはなく、酸味が中心。「ピーチ味のジュース」ではなく、「ランビックにピーチが寄り添う」バランスです。
爽快感で一気に飲むタイプではなく、味わい深いのでちびちび飲むのが合います。クリークが「夏のテラスで一気にいく」なら、ペシェレッセは「夜に1本ゆっくり開ける」イメージ。
おすすめ度:★★★★★ ランビック慣れしてきた人の二杯目に最適。フルーツ感と酸味のバランスが秀逸。
Lindemans Faro(カソナード入り)— 2025年7月
| 項目 | スペック |
|---|---|
| スタイル | ランビック + カソナード(ベルギー産粗糖) |
| ABV | 4.0% |
| ベース | ランビック + 砂糖(フルーツなし) |
| 発売年 | 1978年 |
Faroは他の2種と違ってフルーツが入りません。代わりにカソナードというベルギー産の粗糖で軽い甘みを足した、伝統的なランビックスタイルです。
注ぐと、深いアンバー色。香りはフルーツがない分、木樽熟成由来の酸味と乳酸菌のニュアンスがストレートに立ち上がります。
乳酸菌系のはっきりした酸味で、フルーツのジューシーさで丸めない分、ランビックの素の味が前に出てきます。正直、自分の好みではない酸味のタイプだと飲みながら気づきました。
ただし、色合いは好き。深いアンバーの透明感は、リンデマンスのフルーツランビック2種にはない大人っぽさがあります。
おすすめ度:★★★☆☆(個人の好みによる) クリーク・ペシェレッセを飲んだ後で「もう一歩ランビックの世界に踏み込みたい」人向け。乳酸菌系の酸味への耐性で評価が大きく変わる一本。
3種飲み比べでわかった「自分のランビックの好み」
3種を飲み比べてわかったのは、ランビックの中でも酸味の方向性が大きく3つに分かれること。フルーツのジューシーさで丸めるタイプ(Kriek)、フルーツと酸味がバランスするタイプ(Pêcheresse)、ランビック素の乳酸系酸味(Faro)。 自分はフルーツ寄り、特にPêcheresseが好みでした(2026年6月時点)。
3種を時期をずらして飲んだ結果、好みの順位ははっきりしました。
| ビール | スタイル | 満足度 | ひと言 |
|---|---|---|---|
| Pêcheresse | ピーチランビック | ★★★★★ | フルーツ感と酸味のバランス最高 |
| Kriek | チェリーランビック | ★★★★☆ | ジューシー、ほぼジュース寄り |
| Faro | カソナード入りランビック | ★★★☆☆ | 乳酸系酸味、好み分かれる |
自分の場合、フルーツの酸味は好きだが、乳酸菌系の純粋な酸味は強すぎると感じるタイプでした。Pêcheresseがちょうど真ん中で一番ハマった、というのが結論。
ちなみに、Y.MARKET BREWINGのサイケデリックロック クリークというベルジャンウィット+チェリーのフルーツビールも別途レビューしています。リンデマンス Kriekと比べると、あちらは「ジュースっぽさが薄く、麦芽の旨みが残るチェリービール」という別ベクトル。チェリービール飲み比べに興味があればこちらもどうぞ。
詳細はナゴロバで飲むべきY.MARKET BREWINGのビール完全レビューを参照してください。
リンデマンスはどこで買える?
リンデマンスのランビックは、日本ではAmazon・楽天等のオンラインショップで購入できます。輸入ビール専門店や成城石井等の高めのスーパーでも見かけることがあります。3種揃えるなら通販がもっとも確実です(2026年6月時点)。
日本国内でリンデマンスを扱っているのは主に以下のチャネルです。
- オンラインショップ:Amazon、楽天市場、輸入ビール専門通販(ベルギービール専門店等)
- 実店舗:成城石井、KALDI(取扱店舗による)、輸入食品店、クラフトビール専門店
3種揃えて飲み比べたいなら、通販でギフトボックスセットを探すのがおすすめ。専用グラスと小瓶のセットも市販されていて、ちょうど飲み比べに向いています。

ベルギービール フルーツビール セレクションセット グラス付 250ml 海外ビール 輸入ビール
Untappd Rating Sorterでベルギービールを効率的に探そう
Untappd Rating Sorterは、世界最大のビールレビューサイトUntappdの評価をソートできるChrome拡張です。ランビックや他のベルギービールを探すときに、評価の高い銘柄を効率的に絞り込めます(2026年6月時点)。
リンデマンス以外のランビック(Cantillon、Boon、Drie Fonteinen等)に興味が出たら、Untappdで評価順にソートすると効率的です。
ブルワリーやビアバーのUntappdページでレーティング順に並べ替えられる拡張機能。初めてのランビックで「まずはどれ飲めばいい?」を素早く判断できます。
あわせて読みたい
クラフトビールのフルーツビール・サワー系に興味があれば、こちらの記事もどうぞ。
詳細はY.MARKET BREWINGのナゴロバ完全レビュー。チェリービール「サイケデリックロック クリーク」も登場を参照してください。
詳細はうちゅうブルーイング正直レビュー。スムージーサワー・ノンアルIPAまでを参照してください。
詳細はFar Yeast Brewingのビール正直レビュー。山梨発のクラフトビールを多角的に味わうを参照してください。
よくある質問(FAQ)
- Q. ランビックって何ですか?
- A. ランビックはブリュッセル周辺だけで仕込まれている自然発酵ビールです。生小麦と空気中の野生酵母・乳酸菌で発酵させ、木樽で長期熟成させて作られます。一般的なビールにはない甘酸っぱさが特徴です。
- Q. リンデマンスはどこの国のビールですか?
- A. ベルギー・フランドル地方Vlezenbeek(フレゼンベーク)に本拠を置くランビック醸造家のビールです。1822年創業の老舗で、現在はDirkとGeertの兄弟が運営する家族経営の醸造所です。
- Q. リンデマンスの中でランビック初心者におすすめなのはどれですか?
- A. ランビック初心者には**Kriek(チェリー)**が最も飲みやすくおすすめです。ジューシーな甘酸っぱさでフルーツジュース感覚で楽しめます。ビールの苦味が苦手な人でも美味しく飲める一本です。
- Q. ファロ(Faro)は他のランビックと何が違うのですか?
- A. Faroはフルーツを使わず、カソナード(ベルギー産粗糖)で軽い甘みを足したクラシックなランビックスタイルです。フルーツのジューシーさがない分、ランビック本来の乳酸系の酸味がストレートに出ます。ABV 4.0%でフルーツランビックよりやや高めです。
- Q. リンデマンスはどこで買えますか?
- A. 日本ではAmazon・楽天等のオンラインショップが最も確実です。実店舗では成城石井・KALDI・輸入食品店・クラフトビール専門店で見かけることがあります。3種揃えるなら通販のギフトボックスセットがおすすめです。
今回紹介した商品・関連商品
本記事で紹介したリンデマンスのランビック3種(Kriek・Pêcheresse・Faro)はAmazon・楽天市場で購入できます。ギフトボックス(専用グラス+小瓶2本セット)も流通しているので、これから試す人にはセット購入が便利です(2026年6月時点)。
ちなみに筆者が2025年に購入したのは、リンデマンス専用グラス付きのフルーツビールセレクションセット。これからランビックを試したい人にちょうどいい入口です。

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まとめ
リンデマンスのランビック3種は、それぞれまったく違う表情を見せてくれました。
Kriekはジューシーで分かりやすい入口、Pêcheresseはバランス型の二杯目、Faroは自分の酸味の好みを測るリトマス試験紙。同じ醸造家の同じスタイルでも、ここまで違いが出るのがランビックの面白さです。
200年続くベルギーの醸造文化を、自宅で手軽に味わえる。それがリンデマンスの一番の魅力です。