- 鶴亀食堂のカツオ漬け丼は出汁ポットで茶漬けにできるひつまぶしスタイル
- 津波伝承館と復興祈念公園で「今旅行できていること自体が貴重だ」と実感
- 発酵パークCAMOCYと小島麹店で味噌を買いすぎて荷物が一気に重くなった
気仙沼・陸前高田クラフトビール旅の2日目です。
1日目はBlack Tide Brewingのビアフライトとメカジキ定食を満喫しましたが、2日目はビール控えめ。代わりに発酵食品、震災遺構、そして地元の人たちの暮らしに触れる1日になりました。
この記事では2日目の旅程を、鶴亀食堂の朝食からホテル観洋の夕食まで時系列で振り返ります。
- 鶴亀食堂のカツオ漬け丼で朝が始まる
- ホテル観洋の朝風呂と、アンカーコーヒーのほうじ茶ラテ
- 阿部住宅——命の螺旋階段
- 鹿折金山資料館のモンスターゴールド
- 陸前高田・発酵パークCAMOCYで味噌を買いすぎる
- 津波伝承館と奇跡の一本松
- Black Tide Brewingへ再び、そして復興祈念公園
- ホテル観洋の夕食——マグロカツ定食
- 2日目を終えて
- 気仙沼・陸前高田旅行の予約はこちら
- まとめ
鶴亀食堂のカツオ漬け丼で朝が始まる
朝、ホテルを出ると3月末の気仙沼はやっぱりかなり寒い。歩いて向かったのはみしおね横丁にある鶴亀食堂。
みしおね横丁はコンテナハウスが並ぶ飲食街で、鶴亀食堂はその中の1つ。朝7時から営業しており、8時ごろに着いた時点でほぼ満席でした。12席しかないので回転待ちになることもありそうですが、朝食メインなので席の回転は早そうです。
出汁ポットで自分のタイミングで茶漬けにする
注文したのはその日の漬け丼定食。この日はカツオでした。
プリプリのカツオが漬けダレにしっかり浸かっていて、朝からがっつり食べられる。そしてこの漬け丼のポイントは、丼と別で出汁ポットが出てくること。
自分のタイミングで出汁をかけて茶漬けにできます。いわばひつまぶしスタイル。最初はそのまま、途中から茶漬けにすると一度で二度楽しめます。
ちなみに鶴亀食堂の隣には鶴亀の湯という銭湯もあります。食事と入浴をセットで楽しめる場所。
鶴亀食堂 店舗情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 店名 | 鶴亀食堂 |
| 住所 | 宮城県気仙沼市魚市場前4番5号(みしおね横丁内) |
| 営業時間 | 7:00〜13:00(7-11月は6:00〜13:00) |
| 定休日 | 年中無休 |
| 電話 | 0226-25-8834 |
| 駐車場 | あり(10台) |
| 席数 | 12席 |
※営業時間・定休日・価格は変更の可能性があります
ホテル観洋の朝風呂と、アンカーコーヒーのほうじ茶ラテ
食堂からホテルに戻り、車で出る前に朝風呂へ。
露天風呂に行くと1人いたけれど入れ違いで貸切状態。岩と柵に囲まれたプライベート空間で、朝の冷たい空気を感じながら浸かる温泉は格別でした。
pier7のテラスで15分ぼんやり
車をヒラケルに停めて、買い物がてらアンカーコーヒー内湾店へ。pier7の中にあり、Black Tide Brewingの道路を挟んで向かいに位置しています。
テイクアウトしたほうじ茶ラテを外のテラスで飲みました。
ほうじ茶の味がしっかりしていて美味しい。明日の朝もまた飲もうと思いました。ドーナッツなども置いてあって、近くに住んでいたら結構通いそうなお店です。
テラスでぼんやりしていると、外の芝生を自動お掃除ロボが掃除していました。
しばらく見ていると仕事を終えたのか、ガレージのようなところに帰っていきました。なんだか可愛くて和みます。こういう何でもない時間が旅先では贅沢です。
阿部住宅——命の螺旋階段
アンカーコーヒーのあと、車で向かったのは命のらせん階段(旧阿部家住宅)。今泊まっているサンマリン気仙沼ホテル観洋の創業者にあたる方の自宅です。
地震の5年前に作った階段で約30人が助かった
1960年のチリ地震津波の経験から、阿部長商店会長が震災の約5年前にこの螺旋階段を自宅に設置しました。2011年3月11日、津波が襲った時、渋滞で身動きが取れなくなった近隣住民がこの螺旋階段を登って屋上に避難し、多くの命が救われたと伝えられています。
阿部さんは2019年に亡くなられていますが、この階段とその物語はずっと語り継がれています。2019年に震災伝承施設にも登録されました。
周囲を見渡すと、高さのある建物が少ないことに気づきます。この螺旋階段がなかったら、津波から逃れる場所がなかった人もいたのだと思うと、設置した阿部さんの先見の明に言葉が出ません。
鹿折金山資料館のモンスターゴールド
阿部住宅のあとは鹿折金山資料館へ。
鹿折金山は明治時代に国内十大金山の一つに数えられた金山で、奥州藤原氏の黄金文化を支えたとも伝えられています。
目玉はモンスターゴールド。明治37年(1904年)に採掘された約2.25kgの巨大金塊で、金含有量は約83%。同年の米国セントルイス万国博覧会に出展され称賛されたそうです。
面白かったのが、入口にBlack Tide BrewingのMonster Goldというビール缶も展示されていたこと。地元のブルワリーが地元の歴史にちなんだビールを造り、その資料館にも置かれている。気仙沼の街とBlack Tideの繋がりを感じます。
陸前高田・発酵パークCAMOCYで味噌を買いすぎる
気仙沼から車で陸前高田へ。目的地は発酵パーク CAMOCY(カモシー)です。
CAMOCYは「発酵」をテーマにした複合施設。木造の開放的な空間にフードコートのように7つのテナントが入っている、めちゃくちゃ綺麗な施設です。
発酵食堂やぎさわ、ベーカリー、チョコレート工房、そして陸前高田マイクロブルワリー。発酵をキーワードに、地域の食文化を一箇所で楽しめます。
こんぶちゃとミネストローネ
陸前高田マイクロブルワリーのカウンターへ。
レンタカーの運転があるのでビールは飲めません。代わりにこんぶちゃ(コンブチャ)を注文しました。
コンブチャはスリランカでもよく飲んでいた発酵飲料で、昆布茶とは別物です。酸味があってすっきりする味わい。運転でビールは飲めないけれど、これで十分満足できました。
こんぶちゃで体が冷えたのでミネストローネも追加。
小腹を満たせてよかったのですが、ちょっとぬるかったのだけが残念。
ビールはりんごエール りくぜんたかたとBitterの2本を瓶で購入しました。こちらは後日、自宅でゆっくりレビューする予定です。
ちなみに発酵食堂やぎさわの定食もめちゃくちゃ美味しそうでした。朝の漬け丼でがっつり食べていたのでこの日は見送りましたが、次に来たら絶対に寄ります。
小島麹店で味噌の「割」を教えてもらう
CAMOCYの向かいに小島麹店がありました。
CAMOCYのおしゃれなフードコートとは全く違う雰囲気。生産現場の横にちょっと直売所を置いている感じで、これぞ地元の醸造店という佇まいです。創業100年以上の老舗で、2011年の震災で被災した後、2020年に工場を再建しています。
棚に並んだ味噌に「8割」「10割」「12割」「14割」と書いてあり、「この数字の意味はなんですか?」と聞いてみました。
割の数字は大豆に対する米麹の比率で、上がるほど甘くなるとのこと。10割は大豆と米麹が半々という意味です。岩手・宮城産の大豆を使い、味噌蔵で1年天然醸造。完全無添加。
味噌10割とハバネロ味噌を購入。CAMOCYの中でも味噌2つと醤油を買っていたので、荷物が一気に重くなりました。
発酵パーク CAMOCY 施設情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 施設名 | 発酵パーク CAMOCY(カモシー) |
| 住所 | 岩手県陸前高田市高田町字大隅93-1付近 |
| 営業時間 | 平日 10:00〜19:00 / 土日祝 9:00〜19:00(テナントにより異なる) |
| 定休日 | 火曜日 |
| 主なテナント | 発酵食堂やぎさわ、陸前高田マイクロブルワリー、BAKERY MAaLo、CACAO broma、CAMOCY発酵MARKETなど |
| 公式サイト | https://camocy.jp/ |
※営業時間・定休日・価格は変更の可能性があります
津波伝承館と奇跡の一本松
CAMOCYから車で数分、東日本大震災津波伝承館(いわてTSUNAMIメモリアル)へ。
入場は無料。道の駅高田松原に隣接しています。
数日前に岩手でも地震があり、3月という時期もあって一瞬この旅をやめようかとも思いました。でも実際に来て、この場所の存在を自分の目で見られてよかったと思っています。
映像の衝撃と、気仙大橋が歪んだ現実
館内の映像は、もはや映画の世界のような光景でした。今、普通に車で走ってホテルに泊まって店で食事をしている。よくここまで復興できたなと思う。人って凄い。
今いる伝承館から西にある、気仙川にかかる気仙大橋が津波で流されたそうです。川を津波が遡上していったとのこと。その流された橋も展示されていて、めちゃくちゃ歪んでいました。車も歪みまくり。悲惨という言葉しか出てきません。
洋野町——一人も亡くならなかった街
展示の中で印象に残ったのが、洋野町の話。岩手・宮城・福島3県の沿岸自治体で唯一、死者・行方不明者がゼロだったそうです。海に面している街なのに。
洋野町では1896年の明治三陸大津波で254人、1933年の昭和三陸津波で107人が亡くなった教訓から、防災訓練を見直してきました。2006年から消防団の退避行動訓練や道路閉鎖訓練を追加。住宅55棟・漁船の約7割を失いましたが、人命はゼロ。普段からの意識と訓練が効果を発揮した結果です。
一方で、助からなかった人たちの傾向も示されていました。「3Fまで津波は来ないだろう」「今まで大丈夫だった」——こうした正常性バイアスが命を奪ったケースが少なくなかったそうです。ここは助かった命だったのかもしれないと思えました。
奇跡の一本松と失われた7万本
伝承館を出て、高田松原を歩きます。
かつてここには約7万本の松が生い茂っていました。2011年の大津波で壊滅し、たった1本だけが残った。それが奇跡の一本松です。
残った1本も海水による塩害で枯死してしまいましたが、復興のシンボルとして保存処理が施され、2013年にモニュメントとして再設置されています。高さ約27.5m。
こうなる前の景色を見たかったな、と思いました。せんだいメディアテークの「3がつ11にちをわすれないためにセンター」に、震災前と後の陸前高田の定点観測写真が残されています。松林や野球場が水没し、駅前の建造物がほとんど流失した現実。今見ている風景との差に言葉を失います。
そしてここだけじゃなく、失われる前に見聞きしたいものがあれば早く体験しておくべきだと。自分の身にも何が起こるかわからないし、石油関連の事情もあって飛行機で旅行できること自体が普通ではない。いつでもいつまでも旅行できるとは思っていないからこそ、今回来ていること自体が本当に貴重だと感じました。
東日本大震災津波伝承館 施設情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 正式名称 | 東日本大震災津波伝承館 〜いわてTSUNAMIメモリアル〜 |
| 住所 | 岩手県陸前高田市気仙町字土手影180 |
| 営業時間 | 9:00〜17:00(最終入館16:30) |
| 休館日 | 年末年始、臨時休館あり |
| 入場料 | 無料 |
| 公式サイト | https://iwate-tsunami-memorial.jp/ |
※営業時間・定休日は変更の可能性があります
Black Tide Brewingへ再び、そして復興祈念公園
15時すぎに気仙沼に帰ってきて、荷物を置いて歩いてBlack Tide Brewingへ。2日連続の訪問です。
昨日のビアフライトで一番気に入ったSAKURAを1杯だけ。チェリーとハイビスカスを使ったFruited Saisonで、ピンクレッドの色が綺麗。やっぱり美味しい。
ブリアン洋菓子店のミルフィーユ
Black Tideを出て復興祈念公園に向かう途中、ケーキ屋さんが目に入ったので入ってみました。
ブリアン洋菓子店。店員さんはにこにこ愛想のいいおばあちゃんが2人。パイシューも気になったし「けせんぬまちゃん」というお菓子も悩みましたが、ミルフィーユを選びました。
地元の人にめちゃくちゃ愛されていそうなお店。かなり歴史が長そうな佇まいでした。
復興祈念公園から浸水エリアを一望する
ブリアン洋菓子店のすぐ裏から上り坂を登ると、気仙沼市復興祈念公園に行けます。結構急な坂。
2021年3月11日に開園した公園で、安波山のふもとの「陣山」に位置しています。標高59m。津波で浸水した鹿折地区・内湾地区を眼下に望む場所です。
犠牲者1,085人の名前を刻む銘板があり、見ているときつかった。これは県内のほとんどの人が、誰かしら血が繋がっていたり知り合いだったりするレベルだと思います。
入口にある彫刻の台座に、小さなプレートが付いていました。そこには「ごめんね」と刻まれています。
ホテル観洋の夕食——マグロカツ定食
夜はホテルの和食処 鮹(たこ)で夕食にしました。
昨日はお魚いちばのレストラン鮮でメカジキを食べたので、今夜は宿泊者として一度は試しておきたいと思って宿の方を選びました。
マグロカツ定食に、単品でハーモニカ煮を追加。飲み物はノンアルのシャルドネスパークリングを選びました。
ハーモニカ煮は1日目のメカジキ定食にも入っていた気仙沼の郷土料理。2日連続で食べるくらい気に入っています。
そしてマグロカツ。これが食いたかった、のど真ん中。2口でいけるちょうどいいサイズで、さくさくの衣。タルタルソースとソースが付いてきます。マグロカツ660円、ハーモニカ煮付1,320円(2026年3月時点)。
青森からねぶた祭りの友好会のような方々が宴会をしていました。青森は2025年に先輩と行って、居酒屋で津軽三味線のライブを聴きながら過ごしたのがめちゃくちゃよかった思い出があります。
食後、部屋をノンクリーニングにしたことでもらっていた500円券を売店で使用。乾燥するので化粧水と、レジ前に見つけたずんだ豆餅を購入しました。飲食代10%OFFのチケットももらっていたのに使い忘れました。もったいない。
2日目を終えて
自分は海と山だったら海が好きです。でも津波伝承館で見た映像と、復興祈念公園から眺めた街を思い出すと、やっぱり海は怖いと思いました。
もちろん山は山で怖いですけれど。自然の力の影響を受けやすい場所で生きていくのは、色々な覚悟がいるのだろうと思います。
でも、辛いことがあった街で、一人一人がしっかり1日を生きている。鶴亀食堂の満席、CAMOCYの綺麗な空間、ブリアン洋菓子店のおばあちゃんの笑顔。そういう日常が確かにそこにありました。
明日は最終日。発酵食堂やぎさわのとんかつと、もう一度アンカーコーヒーのほうじ茶ラテを楽しむ予定です。
気仙沼・陸前高田旅行の予約はこちら
今回宿泊したサンマリン気仙沼ホテル観洋は、海を一望できる高台の温泉ホテルです。
まとめ
気仙沼・陸前高田を巡った2日目は、食と発酵と震災の記憶が交差する濃い1日でした。
- 鶴亀食堂のカツオ漬け丼は出汁茶漬けスタイルで朝から大満足
- 命の螺旋階段と津波伝承館で、備えることの大切さと、今旅行できていること自体の貴重さを実感
- 発酵パーク CAMOCYと小島麹店で発酵文化に触れ、味噌を買いすぎた
- Black Tide BrewingのSAKURAは2日連続で飲むほど気に入った
- 復興祈念公園の彫刻に刻まれた「ごめんね」の3文字が忘れられない