- フリーランスエンジニアの手取りは商流(間に入る企業の数)で大きく変わる
- 同じ月単価でも、商流が1段深いだけで月10〜30万円以上の差が生まれることがある
- 直請け案件の多いエージェントを選ぶことが、手取り最大化の最短ルート
- フリーランスエンジニアの「商流」とは何か
- 商流が深いほど高まるリスク
- 商流の浅い案件を見つけるための確認方法
- 商流が浅い案件の多いエージェントの特徴と選び方
- まとめ:商流を理解してから案件を選ぶと、手取りは変わる
フリーランスエンジニアとして独立する前、自分は「エージェントが紹介する案件の単価 = 自分に入るお金」だと思っていました。
残念ながら、そうではありません。フリーランスエンジニアが実際に受け取る金額は、エンド企業が予算として確保している金額と大きく異なることがあります。その差を生み出す要因の一つが、「商流」です。
独立年目の今、案件を選ぶ際に必ず確認するのが「この案件の商流はどこから始まっているか」です。商流を理解してエージェントを選ぶようになってから、同じスキル・同じ稼働時間でも手取りが変わるという体験を何度もしました。
この記事では、商流の仕組みから手取りへの影響、直請け案件を見つけるための具体的な方法まで、実体験をもとに解説します。
フリーランスエンジニアの「商流」とは何か
1次〜3次商流の違いをわかりやすく解説
商流とは、案件を発注するエンド企業からフリーランスエンジニアまでの間に、何社の企業が介在しているかを表す構造のことです。
以下の図で3種類の商流を比較します。
| 商流の種類 | 企業の流れ | 特徴 |
|---|---|---|
| 1次商流(エンド直) | エンド企業 → エージェント → エンジニア | 間に1社のみ。エンジニアへの還元率が最も高い |
| 2次商流 | エンド企業 → 元請けSIer → エージェント → エンジニア | 間に2社。SIerのマージンが乗る |
| 3次以上 | エンド企業 → 元請け → 2次請け → エージェント → エンジニア | 間に3社以上。手取りが大幅に減る |
そうです。エージェントはあくまでエンジニアと企業を繋ぐ橋渡し役ですが、エージェントが紹介する案件がどこのエンド企業のものか、そこまでに何社経由しているかは、表面上には見えません。
商流の深さがエンジニアの手取りに与える影響
商流が深くなるほど、各段階でマージンが引かれていきます。
具体例(エンド企業の予算が月額120万円の場合)
| 商流 | 各社のマージン | エンジニアへの支払い目安 |
|---|---|---|
| 1次(エンド直) | エージェント15%のみ | 102万円前後 |
| 2次 | SIer15% + エージェント15% | 86万円前後 |
| 3次以上 | 各社10〜20%が積み重なる | 70万円以下になることも |
エンド企業が月120万円を用意していても、3次商流を経ると、エンジニアの手取りが70万円前後になることがあります。差額は50万円以上。年間では600万円以上の差です。
商流が深いほど高まるリスク
偽装請負との関係
商流が深くなると、手取りが下がるだけでなく、偽装請負のリスクが高まります。
偽装請負とは、書類上は業務委託(準委任)契約なのに、実態では発注元企業の担当者から直接指示を受けているケースです。準委任契約では指揮命令関係は「委任された業務の範囲内」に限られますが、商流が深いと誰からの指揮命令を受けているのかが曖昧になりやすいのが問題です。
例えば、エンド企業→SIer→エージェント→エンジニアという2次商流の場合、エンジニアがエンド企業の担当者から直接「この作業をやってほしい」と指示されることがあります。
偽装請負が問題になる理由
- 実際の契約(準委任)と実態(請負に近い労働)が乖離している
- フリーランス側が知らないうちに法的リスクを負う可能性がある
- エンド企業や元請け企業が問題視すると契約解除になることもある
そうです。エンド直(1次商流)であれば、エンジニアは契約相手の企業からのみ指示を受けます。商流が複雑化するほど、法的に曖昧なゾーンに入りやすくなります。
自分が「商流の浅いエージェントを意図的に選ぶ」方針を持っているのは、手取りの最大化だけでなく、このリスク管理の観点もあります。
マージン以外の「隠れたコスト」も商流と連動する
商流が深くなると、マージン以外のコストも跳ね上がることがあります。
商流が深い案件ほど、精算幅(稼働時間の上限・下限)の設定が厳しくなる傾向があります。これは中間企業が自分たちのリスク管理のために、細かい条件を加えることがあるためです。
精算幅が「160〜180時間」のように狭い場合、160時間を下回った月は報酬が控除されます。手取りへのダブルパンチになるため注意が必要です。
マージン率・商流・税込/税抜といった「見えないコスト」の全体像については、こちらの記事も参考にしてください。
商流の浅い案件を見つけるための確認方法
エージェントに確認すべき3つの質問
案件の商流の深さを確認するには、エージェントに直接聞くのが最も確実です。ただし、「商流は何次ですか?」とストレートに聞いても正確な答えが返ってこないことがあります。
以下の質問を組み合わせると、商流の実態に近い情報を引き出せます。
質問1: 「エンド企業と御社は直接取引していますか?」
エージェントが元請け企業を通さずにエンド企業と直接契約している場合は1次商流です。「代理店経由」「SIerを通して」といった言葉が出てきたら商流が深い可能性があります。
質問2: 「この案件の発注元はどちらですか?」
エンド企業の名前が直接出てくれば1次商流に近いです。SIer名が出てきたり、「詳細はお伝えできない」と言われる場合は注意が必要です。
質問3: 「マージン率は税込・税抜どちらの単価に対して計算していますか?」
商流とは別のコスト要因ですが、この質問でエージェントのマージン透明性も同時に確認できます。答えをはっきり言えるエージェントは信頼性が高い傾向があります。
正確には、「答えられないエージェント」と「答えたくないエージェント」を区別することが大切です。内部情報の都合で詳細を話せない場合もありますが、商流に関して明確に答えられないエージェントとは、長期的に良い関係を築きにくいと感じています。
案件説明文から商流を見抜くヒント
エージェントに直接聞く前に、案件の説明文からある程度の商流の深さを推測できます。
| 案件説明の特徴 | 商流の深さの目安 |
|---|---|
| 「〇〇社(大手IT企業名)の自社開発案件」 | 浅い可能性が高い |
| 「大手メーカーの基幹システム開発」 | SIer経由の可能性あり(2次以上) |
| 「〇〇SIer案件(エンド:非公開)」 | 2次以上確定 |
| 「金融系システム開発(詳細面談にて)」 | 深い可能性が高い |
エンド企業の名前が最初から開示されている案件は、商流が浅い証拠のひとつになります。案件情報を見る際には、エンド企業の明示有無を意識してみてください。
商流が浅い案件の多いエージェントの特徴と選び方
直請け案件を看板にするエージェントの見分け方
すべてのエージェントが商流の深さを明示しているわけではありませんが、「直請け案件が多い」「エンド直案件に強い」を売りにするエージェントは存在します。
こうしたエージェントを選ぶメリットは以下の通りです。
| メリット | 説明 |
|---|---|
| 手取り率が高い | 中間コストが発生しにくい |
| エンド企業との直接関係 | 要件が正確に伝わり、方向性のズレが起きにくい |
| 偽装請負リスクが低い | 指揮命令の経路が明確 |
| 案件情報の透明性が高い | エンド企業名や業務内容が明示されやすい |
直請け案件に強いエージェントは、マージン率も相対的に低くなる傾向があります。商流が浅い = 中間企業へのマージンが発生しない = エンジニアへの還元率が高い、という構造です。
フリコンが直請け案件に強い理由
自分が手取り最大化の観点でおすすめしているエージェントのひとつが、フリコンです。
フリコン(Free Concierge)は、業界最低水準のマージン率を実現しているフリーランスエージェントです。
フリコンの主な特徴
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| マージン率 | 業界最低水準。公式サイトで開示 |
| 案件の商流 | 直請け案件(エンド直取引)の比率が高い |
| 支払いサイト | 月末締め翌月払い |
| 対応エリア | 全国(フルリモート案件含む) |
フリコンが低マージンを実現できる主な理由は、エンド企業との直接取引(直請け)案件を多く持っているためです。商流が浅いほど中間コストが発生しにくく、その分をエンジニアへの還元率に回せる構造になっています。
フリコンの詳細なレビュー(マージン率の具体的な数字・支払いサイト・使い方)はこちらで確認できます。
複数のエージェントを使い分けることも重要
直請け案件に強いエージェント1社に絞るよりも、複数のエージェントを使い分けることで、より有利な条件の案件に出会いやすくなります。
フルリモート案件の質にこだわりたい場合は、
複数のエージェントに登録して比較しながら案件を選ぶ方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ:商流を理解してから案件を選ぶと、手取りは変わる
フリーランスエンジニアの手取りに影響する「商流」についてまとめます。
- 商流が浅い(直請け)ほど手取り率が高くなる。エンド企業→エージェント→エンジニアの1次商流が最も還元率が高い
- 商流が深くなるほど偽装請負リスクも高まる。指揮命令の経路が曖昧になりやすい
- エージェントへの3つの質問で商流の深さをある程度把握できる
- 直請け案件の多いエージェント(フリコン等)を選ぶと、商流とマージン率の両面で手取りを最大化できる
同じスキル・同じ稼働時間でも、商流の違いだけで年間数十万〜百万円以上の差が生まれることがあります。案件の良し悪しは「月単価」だけで判断せず、商流の深さも合わせて確認することをおすすめします。
手取りを最大化したいなら、まず商流の浅いエージェントを選ぶことから始めるのが、最も再現性の高い方法です。