この記事の結論3行まとめ
- freeeは便利だけど「その経費、税務調査で大丈夫?」を教えてくれないのが不満だった
- 経費の税務リスクをAIがリアルタイム判定するChrome拡張を自作。元国税調査官の視点で白・グレー・黒の3段階チェック
- 2026年9月のKSK2全面移行で税務調査もAI化する時代。入力時の事前チェックがますます重要に
はじめに
freee意識調査(2026年1月)では確定申告後も「正しいか不安」が62.2%、「AI完璧でも専門家に確認したい」が75.1%。マネーフォワード・弥生のAIも仕訳効率化止まりで、入力時の税務リスク判定ツールは2026年3月時点で存在しない空白地帯です(2026年5月時点)。
freeeの意識調査(2026年1月)によると、確定申告後も「正しくできているか不安」と感じている人は62.2%。さらに75.1%が「AIが完璧にやっても専門家に確認してほしい」と回答しています。
freeeは入力を楽にしてくれる。でも「その経費、税務調査で突っ込まれないか?」は教えてくれない。
マネーフォワードの「AI確定申告」も弥生のAI機能も、やっているのは仕訳の効率化。「入力内容の税務リスクを判定する」ツールは、2026年3月時点でどこにも存在しません。
その不満を解消するため、Chrome拡張で税務チェック機能を自作しました。
- この記事の結論3行まとめ
- はじめに
- freeeユーザーの「経費が正しいか不安」問題
- きっかけはXでの税理士さんたちの議論
- 作ったもの:freee取引入力 税務チェッカー
- なぜ「税理士視点」ではなく「調査官視点」なのか
- 2026年のKSK2全面移行で何が変わるか
- 料金プラン
- 使い方
- よくある質問(FAQ)
- 大事な注意
- まとめ
freeeユーザーの「経費が正しいか不安」問題
freee意識調査では「申告が正しいか不安」62.2%、「AI完璧でも専門家に確認したい」75.1%、「不明点調査に1時間〜半日」32.1%。freee公式の「まほう経費精算」や「税務調査あんしんサービス」は事前チェックには対応していない空白領域です(2026年5月時点)。
freeeが2026年1月に発表した意識調査のデータを見てみます。
| 調査項目 | 結果 |
|---|---|
| 申告後も「正しくできているか不安」 | 62.2% |
| AIが完璧にやっても専門家に確認したい | 75.1% |
| 不明点の調査に「1時間〜半日」かかる | 32.1%(最多) |
| 同じ悩みを持つ人とつながれる場がほしい | 72.6% |
freee公式は「まほう経費精算」(2026年2月リリース)など、AIによる経費申請の効率化に力を入れています。ただし、これは領収書から自動で申請書を作る機能であり、「この経費を計上して税務調査で問題ないか」をチェックする機能ではありません。
つまり「入力時に税務リスクを事前チェックする」という機能は、freee公式にもマネーフォワードにも弥生にも、どこにもない空白地帯です。
きっかけはXでの税理士さんたちの議論
きっかけは田舎税理士さんの「freeeはめちゃくちゃな決算書を作って出来た気になっている納税者を生む」投稿と、元国税のシロクマくんさんの「freee税務調査対応」サービス案。申告前に自分で厳しくチェックできる仕組みが必要だと考えました(2026年5月時点)。
ことの発端は、Xで見かけたこのポストでした。
fr〇eeが生み出したのは"税理士なしで申告できる納税者"ではなく"めちゃくちゃな決算書を作って出来た気になってる納税者"なのよね。 — 田舎税理士さん (@inaka_taxman)
https://x.com/inaka_taxman/status/2003390063204589893?s=20
これに対して、元国税調査官の方がこう返していました。
このポストを拝見してパッと思いついたサービスが、「freee税務調査対応」。 調査官の質問に音声入力で対応、freeeの入力状況を確認して回答してくれたり、フォローしてくれる。 — 元国税のシロクマくんさん (@shirokuma_tax)
https://x.com/shirokuma_tax/status/2003685304163795352?s=20
そう思って、Chrome拡張で作ってみることにしました。
作ったもの:freee取引入力 税務チェッカー
「freee取引入力 税務チェッカー」はfreeeの取引入力画面でAIが税務リスクを白/グレー/黒の3段階で自動判定するChrome拡張です。AIリアルタイムチェック・改善摘要サジェスト・勘定科目フィルター(Pro版)の3機能を搭載しています(2026年5月時点)。
freeeの取引入力画面で、経費を登録する前にAIが税務リスクを自動チェックするChrome拡張です。

AIリアルタイムチェックはどう動く?
freeeの「支出を登録」ボタンを押すと、AIが自動で判定します。
| 判定 | 意味 |
|---|---|
| 🟢 白 | 問題なし、そのまま登録OK |
| 🟡 グレー | 要注意、摘要の補足を推奨 |
| 🔴 黒 | 高リスク、税務調査で否認される可能性 |




こんな感じで、調査官目線での懸念点を教えてくれます。
事業内容や家事按分の設定もでき、チェック時に考慮させることが可能です。

摘要サジェスト機能とは?
「じゃあどう書けばいいの?」という疑問に答えて、改善された摘要文の例も提示。
入力:スタバ ↓ 提案:〇〇氏と△△プロジェクト打ち合わせ(スターバックス新宿店) ※実際の打ち合わせ内容を正確に記録するためのテンプレートです
ワンクリックでコピーできるので、そのまま使えます。
勘定科目フィルター(Pro版)はどう使う?
取引一覧ページで、特定の勘定科目を非表示にできます。

- 勘定科目フィルター使用前

- 勘定科目フィルター使用後

年度末のレビュー時に、ノイズを除去して効率よく確認できます。
なぜ「税理士視点」ではなく「調査官視点」なのか
税務調査で対峙するのは税理士でも窓口相談員でもなく国税調査官です。税務署窓口の相談には法的拘束力がなく、調査官の視点で「どこを突くか」を入力時点で教えてくれる仕組みに価値があります。税理士法抵触を避け、最終判断は納税者に委ねる設計です(2026年5月時点)。
ここが設計上の最大のポイントです。
普通、こう思ったら税理士さんに聞きますよね。
SNSにも税理士さんはたくさんいるし、「これは経費にできますか?」と聞けば答えてくれる。あるいは、税務署の窓口に相談に行く人もいるかもしれません。
つまり、窓口で「大丈夫ですよ」と言われても、税務調査で否認される可能性は普通にある。
窓口の相談員と、実際に調査に来る調査官は別の人間。見解が違うこともあります。実際、「税務署で聞いてから記帳したのに、調査で認められなかった」というケースは珍しくありません。
そして、税務調査で対峙するのは税理士でも窓口相談員でもない。国税調査官です。
| 視点 | 立場 | 考え方 |
|---|---|---|
| 税理士視点 | 守る側 | 「どう通すか」を考える |
| 窓口相談 | 案内係 | 「一般論」を答える |
| 調査官視点 | 攻める側 | 「どこを突くか」を考える |
サッカーで言えば、FWの動きを知りたいのに、GKや受付スタッフにしか聞けない状態。
だからこそ、調査官が「ここを突く」と考えるポイントを、入力時点で教えてくれる仕組みに価値があると考えました。
調査官視点で問題がなければ、突っ込まれるリスクは下がる。仮に質問されても、事前に想定して記録しておけば堂々と説明できる。これがこの拡張のコンセプトです。
また、税理士法との整理も重要でした。
| NG | 「このAIが税務アドバイスします」→ 税理士法違反の恐れ |
|---|---|
| OK | 「記録が不十分だと調査で説明しにくくなる」という情報提供 |
AIは「経費にできない」とは言いません。「調査官ならここを突く」という情報を提供するだけ。最終判断は納税者自身に委ねる設計にしています。
2026年のKSK2全面移行で何が変わるか
2026年9月の国税庁次世代システムKSK2全面移行で、申告書約2,300種類がAI-OCR対応となり、紙申告書もスキャンで自動データ化、調査対象選定はAIがリスクスコアを自動算出します。最終判断は調査官が行いますが、入力時の事前チェック価値が高まります(2026年5月時点)。
2026年9月、国税庁の次世代システムKSK2が全面移行されます。
| 項目 | 変化 |
|---|---|
| 申告書の処理 | 約2,300種類がAI-OCR対応の新様式に |
| 紙の申告書 | スキャンで自動データ化 → KSK2に自動登録 |
| 調査対象の選定 | AIがリスクスコアを自動算出 |
| 最終判断 | 人間(調査官)が行う |
つまり、AIが「この納税者は調査した方がいい」と判断する時代が来ます。
だからこそ、入力時点で「調査官にどう見えるか」をチェックしておくことの価値が、今後ますます高まっていきます。
料金プラン
料金はFree版(月5回まで無料)とPro版(月980円・税込1,078円)の2プラン。税務調査で10万円経費否認なら追徴3〜4万円、悪質判定で重加算税35%上乗せ。税理士顧問料月1〜3万円と比べても入力時のリスク事前チェックは費用対効果が高いです(2026年5月時点)。
正直、その気持ちはわかります。でも考えてみてください。
税務調査で1件の経費が否認されたら?
- 10万円の経費否認 → 追徴税額 約3〜4万円
- 悪質と判断されれば → 重加算税35% が上乗せ
- さらに延滞税も加算
そして何より、「この経費、大丈夫かな」と毎回モヤモヤする時間。確定申告前に過去の取引を見直して「あれ、これ何の経費だっけ」と不安になる、あの感覚。
| プラン | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| Free | 無料 | 月5回まで |
| Pro | 980円/月(税込1,078円) | 無制限+行の勘定科目フィルター機能 |
まずはFree版で試してみてください。5回使えば、価値があるかどうか判断できるはずです。
使い方
使い方は3ステップ。①Chromeウェブストアから「freee取引入力 税務チェッカー」をインストール、②freee取引入力画面(https://secure.freee.co.jp/deals)で事業情報を設定、③通常通り入力後「支出を登録」ボタンでAIが白/グレー/黒の3段階判定、です(2026年5月時点)。
インストール
- Chrome ウェブストアから「freee取引入力 税務チェッカー」をインストール
- freeeの取引入力画面(https://secure.freee.co.jp/deals)を開く
- 拡張機能アイコンをクリックして事業情報を設定
経費チェック
- いつも通りfreeeで経費を入力
- 「支出を登録」ボタンをクリック
- AIがチェックして結果をモーダル表示
- 🟢なら自動登録、🟡🔴なら内容を確認して判断(🟢は自動登録するか、結果確認モーダルで止めるかは設定で変更可能)
サンプル(事業内容にエンジニアを設定した場合)
- 🟢 / 消耗品費1500円 Ruby技術書


- 🟡 / 消耗品費25000円 備考記載なし


- 🔴 / 交際費98000円 備考記載なし


よくある質問(FAQ)
Q. freee以外の会計ソフト(マネーフォワード、弥生)でも使えますか?
現在はfreee専用です。freeeの取引入力画面(https://secure.freee.co.jp/deals)でのみ動作します。
Q. AIの判定はどれくらい正確ですか?
Claude APIを使用しており、一般的な経費の税務リスク判定には十分な精度です。ただし、AIの判定は参考情報であり、最終的な税務判断は税理士等の専門家にご相談ください。
Q. 入力した経費データはどこかに送信されますか?
経費データはAI判定のためにClaude APIに送信されますが、サーバーに保存されることはありません。
Q. 法人でも使えますか?
はい、法人・個人事業主どちらでもお使いいただけます。事業内容を設定すれば、業種に応じた判定が可能です。
Q. Free版とPro版の違いは?
- Free版は月5回までの無料枠でAIリアルタイムチェック・摘要サジェストが使えます。Pro版(980円/月・税込1,078円)はチェック回数無制限に加えて勘定科目フィルター機能が利用できます。まずはFree版5回で価値を判断してください。
大事な注意
このツールは「正当な経費を正しく記録するため」のものです。実態のない経費を「それっぽく」記録するためのツールではなく、AIサジェスト通りでも実態がなければ否認されます。架空経費の計上は脱税であり重加算税の対象です(2026年5月時点)。
このツールは正当な経費を正しく記録するためのものです。
- 実態のない経費を「それっぽく」記録するためのツールではありません
- AIのサジェスト通りに書いても、実態がなければ否認されます(当然ですね)
- 架空経費の計上は脱税であり、重加算税の対象です
正しい経費を、正しく記録する。 それをサポートするのがこのツールの目的です。
まとめ
freeeは便利だけど、「その経費、大丈夫?」を教えてくれない。
その不満を解消するために、AIが元国税調査官の視点で税務リスクを判定するChrome拡張を作りました。
2026年9月にはKSK2が全面移行し、税務調査の対象選定にもAIが使われる時代になります。「入力時に自分でチェックする」習慣が、これからのフリーランスには欠かせません。
※本拡張機能はfreee株式会社の公式サービスではありません。 ※AIによる判定は参考情報です。最終的な税務判断は税理士等の専門家にご相談ください。