- 奈良県橿原市のFARMENTRY(ファーメンタリー)は、野生酵母と自家栽培ホップで醸すクラフトビール醸造所
- タップ10oz 700円〜とリーズナブル。Japan Brewers Cup 2025 淡色ラガー部門金賞の実力
- 帰り道に寄った今井町の古民家カフェ「茶寮百代」の塩不使用肉うどんも絶品だった
目当てのビアバーが臨時休業。「どうしよう」と路頭に迷いかけたところで思い出したのが、橿原市にあるクラフトビール醸造所FARMENTRY(ファーメンタリー)でした。
2024年10月にオープンしたばかりの新しいブルワリー。ちょうどタップルームの営業日だったので、2km歩いて向かうことに。
結論から言うと、ここは定期的に通いたくなるブルワリーでした。ビールのクオリティ、価格、雰囲気、すべてが良かったです。
帰り道に立ち寄った今井町の古民家カフェ「茶寮百代」も大当たりだったので、あわせて紹介します。
- Camosの臨時休業からFARMENTRYへ
- FARMENTRY(ファーメンタリー)とは
- タップルームの雰囲気
- ビールレビュー
- テイクアウト缶も充実
- BEER&BOOK猫森のフライヤーを発見
- 帰りは今井町を散策して茶寮百代へ
- 店舗情報
- クラフトビールをお取り寄せするなら
- まとめ
Camosの臨時休業からFARMENTRYへ
この日のもともとの目的地は、橿原市内のビアバー「Camos」でした。Camosのタップリストに、以前訪問したCamado Brewery(カマドブリュワリー)の「CYUNE - Rouge de Bière(キュン)」が上がっていたのでチェックしたかったのです。
事前にSNSで営業日を確認して向かったのですが、着いてみるとスタッフの体調不良で臨時休業。
さてどうしようかと考えて、ふと思い出したのがFARMENTRY。以前からInstagramでフォローしていて気になっていたブルワリーです。
Googleマップで確認すると、ちょうど土日のタップルーム営業日。Camosから約2km。歩いて行ける距離です。
道中、フェンス越しに梅が咲いていました。3月下旬の奈良は、まだ少し肌寒いけれど春の気配。
FARMENTRY(ファーメンタリー)とは
FARMENTRY(ファーメンタリー)は、奈良県橿原市五井町にあるクラフトビール醸造所です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 正式名称 | 株式会社ファーメンタリー |
| 代表/ヘッドブルワー | 西崎翔 |
| オープン | 2024年10月12日(醸造免許取得: 2024年8月) |
| 受賞 | Japan Brewers Cup 2025 淡色ラガー部門 第1位(金賞) |
| 特徴 | 野生酵母、自家栽培ホップ、ワイルド発酵 |
屋号の「FARMENTRY」は、「Farm(農場)+ Entry(入口)」と「Fermentery(発酵の場)」を掛け合わせた造語。
代表の西崎翔さんは、もともと放射線技師として病院に勤務していた異色の経歴の持ち主です。和歌山のVOYAGER BREWING CO.で修業を積んだ後、2024年に独立してFARMENTRYを立ち上げました。
このブルワリーの最大の特徴は、橿原の野生酵母を使った「ワイルド発酵」。醸造設備には「Wild Room」という野生酵母発酵専用室があり、その土地固有の味わいを追求しています。
さらに、宇陀市の自家農園で8年間ホップを栽培。地元の農産物や果実を副原料に使うなど、奈良の風土に根ざした醸造を行っています。
タップルームの雰囲気
国道166号沿い、ローソン橿原五井町店の向かいの路地を入った先にあります。「BEER」と書かれた看板が目印。
ウコンの力やヘパリーゼ注入もやりやすくて最高ですね!
店内はコンパクトながらおしゃれな空間。カウンター奥には缶ビールがずらりと並んでいます。壁にはワイヤーバスケットの棚。
当日のタップリスト。10oz(約300ml)700円〜、16oz(約470ml)1,000円〜という価格帯。都内や大阪のタップルームと比べると、かなりリーズナブルです。
テラス席では、店長さんが常連さんと新作ビールで盛り上がっていていい雰囲気でした。看板犬のブルドッグもいて、のんびりした時間が流れています。
カウンターに飾られていたのは、Japan Brewers Cup 2025 淡色ラガー部門 第1位(金賞) のトロフィー。「Special House Lager」で90エントリー中1位を獲得しています。
オープンから半年足らずで全国コンペの金賞。これは相当な実力です。
ビールレビュー
Woodpicker — Oakchip Infused Farmhouse Ale
1杯目はWoodpicker。オークチップに漬け込んだファームハウスエールです。
- スタイル: Farmhouse Ale(Oakchip Infused)
- ABV: 5.0%
- 価格: 10oz 700円 / 16oz 1,000円(2026年3月時点)
- フレーバー: Wood, Vanilla, Pineapple
FARMENTRY 1st Anniversaryのロゴが入ったグラスで提供されました。色は淡い黄金色で、軽やかな泡立ち。
飲んだ第一印象は、「ヒューガルデンをもう少し軽くしたような飲みやすさ」。
フルーティさとオークチップの木のニュアンスが絶妙に混ざり合っていて、ABV 5%と軽いのにしっかり味わいがある。2km歩いた後の朝の空きっ腹に染み渡りました。
Summer Sour Wheat — Dry Hopped Berliner Weisse
2杯目はSummer Sour Wheat。ドライホップのベルリナーヴァイセです。
- スタイル: Berliner Weisse(Dry Hopped)
- ABV: 4.5%
- 価格: 10oz 700円(2026年3月時点)
- フレーバー: 鮮烈な酸味と柑橘
こちらは打って変わって、独特な酸味と香りのビール。
メニューには「鮮烈な酸味」と書かれていましたが、レモンや酢のような尖った酸っぱさではありません。もっと奥行きのある、野生っぽい、ワイルドな酸味と香り。ドライホップだからか、ホップの香りもかなり出ています。
帰ってからFARMENTRYについて調べてみると、先述の通り橿原の野生酵母を使った「ワイルド発酵」に強みを持つ醸造所だということがわかりました。醸造設備に「Wild Room」という専用室まで設けているブルワリーだからこそ、こういったサワー系のビアスタイルにも説得力があります。飲んでいるときに感じた「野生っぽさ」は、まさにこの醸造所の個性そのものだったんですね。
後味にも独特の余韻が残ります。好きな人にはたまらないけれど、初心者が最初に飲む1杯としてはWoodpickerのほうがおすすめ。
ちなみにメニューには800円と記載されていましたが、お会計では700円でした。確認してもらったら700円が正しかったようです。こういうラフな感じも個人ブルワリーならではの良さ。
テイクアウト缶も充実
タップルームでは缶ビールのテイクアウトも充実しています。500ml缶で900〜1,300円程度。この日は3種類を購入しました(後日レビュー予定)。
Mix Juice Saison
FARMENTRYのオリジナルセゾン。ABV 3.5%と軽め。裏面の原材料を見ると、グァバ・もも・りんご・みかん・パイン・イチジク・ポポー・ライム・レモングラスと、フルーツのオンパレード。発泡酒区分、500ml。
実はこのMix Juice Saison、以前Camosで缶を買っていて、3月16日に自宅で飲んでいました。
もも・グァバ・バナナのような香りが立ち上がりますが、味わいはかなり薄め。まさに水のようなゴクゴク感です。2025年3月頃からクラフトビールを100〜200銘柄ほど飲んできましたが、その中でもTOP3に入る軽さ。
ラベルや原材料の表示から「ミックスジュースのような濃厚さ」をイメージしていると肩透かしを食らいます。でもこの軽さが逆に良くて、ゴクゴクいけるのが最高です。
ちなみにポポーが気になりすぎて、ふるさと納税で早速注文してしまいました。8月下旬〜9月上旬に届く予定で、届いたら感想を追記します。
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【ふるさと納税】【先行予約】ポポー 1kg入(3個から4個入)
The Song of Twin Roots(MAHOW BREWとのコラボ)
沖縄のMAHOW BREWとのコラボビール「Oats Cream Hazy IPA」。ABV 6.5%。沖縄のブルワリーとのコラボということで期待して3本購入しました。賞味期限切れのためディスカウントで900円になっていたのも後押し。発泡酒区分、500ml。原材料には麦芽・麦・糖類(ショ糖・ラクトース・黒糖)・ホップ・葛でん粉・オキナワニッケイと、こちらも個性的です。
- スタイル: Oats Cream Hazy IPA
- ABV: 6.5%
- コラボ先: MAHOW BREW(沖縄)× FARMENTRY
- フレーバー: Tropical, Sweet, Cinnamon
原材料の黒糖やオキナワニッケイから南国感を期待して飲みましたが、正直なところ特段の個性は感じませんでした。ベーシックなHazy IPAという印象です。
もちろん美味しかったですし、ヘイジー特有のまろやかな口当たりは安定感がありました。ただ、原材料リストから想像する「沖縄っぽさ」や「黒糖のニュアンス」は、飲んでみるとほとんど見つけられなかった。3本も買ってしまったのは少し後悔しています。
Extra Special Bitter
イギリスの伝統的なESBスタイル。ABV 5.0%。FARMENTRYの代表の西崎さんは、スコットランド人のルームメイトから本物のイングリッシュエールを飲ませてもらったのがビールに目覚めたきっかけとのこと。そのルーツを感じるビールです。
BEER&BOOK猫森のフライヤーを発見
FARMENTRYの店内で見つけたフライヤーが気になりました。兵庫県宝塚市にある「BEER&BOOK猫森」。クラフトビールと古本を同時に楽しめるビアホールです。
2024年11月オープン。阪急宝塚線・雲雀丘花屋敷駅から徒歩1分。14:00〜21:00、月曜定休。
ビアスタイルセミナーや、「余った缶をみんなで持ち寄って飲む会」など、面白いイベントもやっているようです。
帰りは今井町を散策して茶寮百代へ
FARMENTRYからの帰り道、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている「今井町」を通りました。
江戸時代の町並みがそのまま残る趣きのある通り。食事がまだだったので、気になるお店を探しながら歩きます。
まず目に入ったのが「農家のオーベルジュ」。良さそうだと思ったものの、この日は予約で完売。
次に向かった蕎麦屋「古伊」も臨時休業。今日はCamosに続いて2軒目の臨時休業。縁がない日だなと思いつつ歩いていたら、「茶寮百代(さりょう はくたい)」を見つけました。
茶寮百代 — 今井町の古民家カフェ
今井町の古民家を活かした隠れ家カフェ。畳に座布団、障子から柔らかい光が差し込む静かな空間です。
メニューは壁に並ぶ形式。出汁にこだわったうどんと、練りたて葛餅、コーヒーや抹茶ラテなど。
この日は特製肉うどんと抹茶ラテを注文しました。
特製肉うどん。実はこれ、季節限定メニューです。Instagramでは「レギュラーメンバーにしてほしい」という声も上がっているほどの人気メニュー。食べられてラッキーでした。
塩を一切使っていないのが最大の特徴です。昆布と鰹の出汁を1時間ほど煮出して作っているとのこと。
塩がなくてもしっかり奥深い味わい。澄み切った黄金色のスープに、余計なものが何も入っていない。純粋な出汁の旨味だけで成り立っています。
肉の旨味もいいアクセントでしたが、次来るときは肉なしの「吉祥うどん」を食べてみたい。出汁そのものをもっと味わいたくなりました。
抹茶ラテは、注文してから抹茶をたてて作ってくれます。大きめの陶器グラスで提供。
BGMは「戦場のメリークリスマス」のゆったりしたカフェアレンジ。純粋な素材の味わいを感じられるメニューばかりで、空間もBGMもすべてが調和しています。
Instagramで確認したら、FARMENTRYが茶寮百代をフォローしているのを発見。クラフトビールを飲んでから今井町を散策してカフェへ、という流れはどうやら王道ルートのようです。
店舗情報
FARMENTRY(ファーメンタリー)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 〒634-0832 奈良県橿原市五井町197-5 |
| 営業日 | 土日祝 11:00〜18:00(※不定休あり、SNSで要確認) |
| 定休日 | 平日(月〜金) |
| 駐車場 | あり(店舗前) |
| 決済 | クレジットカード・電子マネー・QRコード決済対応 |
| 公式サイト | farmentry.net |
| オンラインショップ | farmentry.square.site |
| @farmentry |
茶寮百代(さりょう はくたい)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 奈良県橿原市今井町3丁目8-29 |
| 営業時間 | 平日 11:30〜16:00 / 土日祝 11:00〜17:00 |
| 定休日 | 月曜日(+ 不定休) |
| 駐車場 | なし(近隣に有料駐車場あり) |
| @hakutaisaryo |
※営業時間・定休日・価格は変更の可能性があります
クラフトビールをお取り寄せするなら
FARMENTRYのビールは楽天やAmazonでは取り扱いがなく、公式オンラインショップか現地のタップルームでの購入になります。
通販で手に入るクラフトビールをお探しの方は、ふるさと納税もおすすめです。
まとめ
Camosの臨時休業という偶然がきっかけで訪れたFARMENTRY。2km歩いた甲斐は十分にありました。
野生酵母や自家栽培ホップなど、奈良の風土に根ざした唯一無二の醸造を、10oz 700円〜という良心的な価格で楽しめます。Japan Brewers Cup 2025金賞の実力は本物。
帰り道の今井町散策と茶寮百代の肉うどんも含めて、クラフトビール好きにとっては最高の休日コースでした。
テイクアウトした缶ビール3種は、後日レビューを追記予定です。
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