- 名古屋のENDOJI BREWINGで飲んだカマドブルワリーのHazy IPAに一撃でやられた
- 岐阜・釜戸のビアバーで飲むクラフトビールは、美濃焼グラスも含めて体験が別格
- 2024年ビアワングランプリ総合優勝、醸造歴27年超のレジェンドが手がけるビールは全タップ外れなし

名古屋のビアバーでたまたま飲んだ1杯が、まさかの岐阜県の山あいにある醸造所まで連れていくことになるとは思わなかった。
今回は、岐阜県瑞浪市・釜戸町にあるカマドブルワリー(CAMADO BREWERY)の訪問レポートです。
きっかけから訪問レポート、そして醸造研修の話まで、順番にお伝えします。
今回登場するお店・ブルワリーはこちら。
- きっかけは名古屋・円頓寺のENDOJI BREWING
- カマドブルワリーとは
- ビアバーHAKOFUNE 訪問レポート
- ブルワリーの前に、水晶山と竜吟の滝を散策
- 醸造研修にも挑戦できる
- アクセス・営業情報
- 今回紹介した関連商品
- まとめ
- クラフトビール好きにおすすめのChrome拡張
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きっかけは名古屋・円頓寺のENDOJI BREWING
2025年3月、名古屋の円頓寺商店街にあるENDOJI BREWING NAGOYA CITYに立ち寄ったときのこと。
タップリストに並んでいた「RESPECT」というビールを注文してみました。
カマドブルワリーとブレイクエッジビアワークスのコラボ作品。Hazy IPAで、ABV 7.0%。
トロピカルなインパクトがガツンと来たかと思えば、抜けには和梨のような優しい香り。ラクトースの柔らかな甘みもあって、何杯でもいけてしまう危険なやつです。
ちなみにこの写真、グラス半分くらいまで減っています。あまりに美味すぎて写真を撮るのを忘れてしまい、飲んでから慌ててカメラを向けたという。それぐらいのインパクトだったということで、ご容赦ください。
ちなみにこのRESPECTは「師弟コラボ」の1杯。カマドブルワリーの醸造長・丹羽智さんのもとで研修を受けたブレイクエッジビアワークス(広島)との共作です。
このRESPECTがあまりに良すぎて、カマドブルワリーを調べはじめたのが今回の訪問のきっかけでした。
カマドブルワリーとは
カマドブルワリー(CAMADO BREWERY)は、2020年に岐阜県瑞浪市・釜戸町で誕生したマイクロブルワリーです。
運営は株式会社東美濃ビアワークス。代表の東恵理子さん、飲食部長の岡部青洋さん、そして醸造長の丹羽智さんの3人で立ち上げました。
レジェンド醸造家・丹羽智
醸造長の丹羽智(にわ さとし)さんは、クラフトビール業界で「レジェンド」や「酵母の魔術師」と呼ばれる醸造家です。
主な経歴と実績はこちら。
- 醸造歴27年超、生み出したビール150種以上
- 2024年ビアワングランプリ総合優勝(Belle Foncé Barley Wine)
- ビアワングランプリ2015年〜史上初の3連覇
- 日本初のバーレーワイン(大麦のワイン)醸造に成功
- 自然酵母を使用したビールづくりの国内パイオニア
- 博石館ビール(中津川)→ アウトサイダーブルーイング(山梨)→ WEST COAST BREWING(静岡)を経て、故郷の東濃へ帰還
- これまでに30人以上の醸造家を育成、卒業生は全国30以上のブルワリーで活躍中
カマドブルワリーは、丹羽さんが「人生の集大成」として故郷で立ち上げた醸造所。先ほどのRESPECTが師弟コラボだったのも、丹羽さんのもとで研修を受けた弟子たちが全国にいるからです。
東濃の方言で名付けられた定番4種
カマドブルワリーの定番ビールは、東濃地方の方言を冠した4種。どれも地域への愛情が詰まったネーミングです。
| ビール名 | スタイル | 方言の意味 |
|---|---|---|
| Yatto Came Ale やっとかめエール | ペールエール | 「久しぶり」 |
| Fond de White ほんでホワイト | ウィートエール | 「それで」 |
| Kan&Co. IPA かんこうIPA | IPA | 「関係ない」 |
| Anky Lager あんきーラガー | ラガー | 「安心・気楽」 |
これに加えて、窯焚物語と名付けられた準定番4種(ウエストコーストIPA、レッドエール、コーヒーインペリアルスタウト、ヘイジーIPA)や、地元の鮎だし・椎茸・河内晩柑などを副原料に使った季節限定ビールが次々とリリースされています。
なぜ「カマド」なのか
「カマド」の名前は、東濃地方が美濃焼に代表される日本屈指の窯業地であることに由来しています。「窯(カマド)」は、この地の陶芸家にとって心のシンボルのような存在。
実際にビアバーでは美濃焼のグラスでビールを提供していて、容器の違いで味わいが変わる体験ができます。これが後述するんですが、本当に面白い。
クラファンで生まれたビアバーと、次なる挑戦「パン飲み」
カマドブルワリーのビールは発売開始直後に完売することが多く、オンラインストアに人が殺到する様子は「カマドマッチ」とファンの間で呼ばれるほど。
「もっと多くの方にビールを届けたい」という想いから、2021年にMakuakeでクラウドファンディングを実施。目標金額の500%にあたる750万円もの支援が集まり、現在のビアバーHAKOFUNEの建設と醸造設備の拡大が実現しました。
そして今、カマドブルワリーが力を入れているのが「パン飲み」プロジェクト。ビール工場の隣にパン屋「かまどパン」を立ち上げる計画です。
キャリア27年のパン職人・松阪鉄平さんとタッグを組み、クラフトビール×パンの新しい楽しみ方を提案。地元の夏祭りで試験的に提供した揚げたてカレーパンは、100個がわずか30分で完売したそうです。
2025年にCAMPFIREでクラウドファンディングを実施したところ、750人から1,144万円の支援(目標の114%)が集まりました。
「遊園地」をコンセプトにしたパン屋で、2026年3月中旬オープン予定とのこと。ビアバーでクラフトビールを飲みながら焼きたてのパンをつまむ、そんな体験がもうすぐ現実になります。
ビアバーHAKOFUNE 訪問レポート
2025年6月13日(金)、実際にカマドブルワリーへ行ってきました。
JR中央本線の釜戸駅から歩いて3分ほど。白いプレハブの建物に、夜空に映える「BEER」の看板が目印です。醸造所に併設されたビアバーHAKOFUNE(ハコフネ)でクラフトビールが飲めます。
到着は18時頃。この日は水晶山と竜吟の滝を歩いてからの到着で、ちょうど18時オープンに間に合った形です。金曜は18時から22時の営業なので、仕事終わりでも間に合います。ただし営業時間は月ごとに変動するので、訪問前にInstagramで最新のスケジュールを確認するのがおすすめです。
タップリスト:全6種のラインナップ
訪問日のタップリストはこんな感じでした。
| # | ビール名 | スタイル | ABV | ハーフ | パイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Anky Lager あんきーラガー | ラガー | 5.5% | ¥600 | ¥960 |
| 2 | BIG BEN IPA ビッグベンIPA | IPA | 6.0% | ¥750 | ¥1,200 |
| 3 | 天然酵母!ワイルドマジック Vol.1 | ベルジャントリプル | 8% | ¥850 | ¥1,360 |
| 4 | 春のうた WEST COAST CITRUS IPA | ウエストコーストシトラスIPA | 6.0% | ¥750 | ¥1,200 |
| 5 | 1HH シングルホップヘイジー アイダホ7 | ヘイジーIPA | 6% | ¥750 | ¥1,200 |
| 6 | 季節限定 河内晩柑ドライスタウト | ドライスタウト | 5% | ¥750 | ¥1,200 |
サイズはハーフ(280ml)、パイント(473ml)に加えて、美濃焼(220ml)とテイスティンググラス(120ml)が選べます。美濃焼やテイスティンググラスは¥800〜¥950。
定番のあんきーラガーから、天然酵母のベルジャントリプル、季節限定の河内晩柑スタウトまで。たった6タップなのに、スタイルの幅広さが丹羽さんの引き出しの多さを物語っています。
ビール名に使われている「あんき」は、東濃地方の方言で「安心・気楽」という意味。地域の言葉をビール名に織り込んでいるのも、このブルワリーの魅力です。
1HH シングルホップヘイジー アイダホ7
まず頼んだのがこちら。「1HH」シリーズは、シングルホップの個性が光るヘイジーIPA。今回はアイダホ7というホップが使われています。
濃縮感のあるジューシーさ。パイナップルやアプリコットのようなホップアロマが香り、飲み飽きない設計になっています。
春のうた WEST COAST CITRUS IPA × 美濃焼グラス
次に頼んだのが「春のうた」。副原料にレモンを使った、クリアな色合いのウエストコーストIPA。ホップはシトラ、副原料はレモン。瀬戸町産の無農薬レモンが使われています。
ここで注目したいのが美濃焼のテイスティンググラスです。写真の右側にある陶器の器。
陶器は表面に微細な凹凸があるので、ビールを注いだときに泡がきめ細かくなります。口当たりがまろやかになって、同じビールでも味わいの印象が変わるんです。
West Coast IPAは、ヘイジーIPAと比べると苦味・ドライ感・クリアさを重視するスタイル。フルーティで濁ったヘイジーとは対照的に、松や柑橘の清々しさと切れ味を楽しむビールです。
美濃焼の手触りもまた独特で、指先にざらっとした質感が伝わってくる。ガラスのグラスとは明らかに違う「器を持っている感覚」があって、ビールそのものとは別の次元で味わえる特別な体験です。
正直、テイスティンググラスは120mlと量は少ないですが、体験として一度は試す価値があります。
フードメニュー:ビール煮込みが面白い
フードメニューも充実していました。グローバルのソーセージ盛(¥1,200)、合鴨のスモーク、ポテトサラダなど。
今回頼んだのは「豚とキノコのビール煮込み」(¥700)。自家醸造のBIG BEN IPAで煮込んだ一品です。
IPAの苦味は残り続けるのではなく、スッと柔らかくひいてくれる。後味も良くて、面白い料理です。
ただ正直に言うと、ミルク系のベースよりもトマトやチリベースの方が合いそうだなとは思いました。
とはいえ、自家醸造ビールを料理にも使っているというのは、ブルワリー併設ならではの面白さ。ソーセージ盛を頼んでビールと合わせるのが王道かもしれません。
社長さんとの会話は次回の楽しみに
この日は社長さんが後から到着するとのことで、醸造研修のことについても色々とお話を聞きたかったのですが、帰りの電車の時間もあって今回は断念。
次回は時間に余裕を持って訪問して、じっくり話を聞きたいと思います。ビアバーの雰囲気自体がアットホームで、スタッフの方も気さくなので、一人でも気兼ねなく過ごせる空間です。
ブルワリーの前に、水晶山と竜吟の滝を散策
カマドブルワリーの周辺は自然が豊かで、釜戸駅からアクセスできる水晶山と竜吟の滝(竜吟七滝)というスポットがあります。
今回は昼過ぎに釜戸に到着して、まず水晶山を歩き、そのまま竜吟の滝へ。一の滝から七の滝まで7つの滝が続く散策路を抜けて、18時のビアバーオープンに合わせて到着するルートを取りました。
汗をかいた後のクラフトビールは格別。土日なら12時からビアバーが営業しているので、午前中に山を歩いて、昼からビールという贅沢もできます。
醸造研修にも挑戦できる
カマドブルワリーの面白いところは、一般向けの醸造研修を受け入れていること。
丹羽さんは醸造歴27年で、これまでに30人以上の醸造家を育ててきた人物。その技術を1〜2ヶ月の研修プログラムで学ぶことができます。現在は奇数月に開催されています。
基本的には醸造所の立ち上げを目指す方向けですが、純粋に勉強目的で参加する方もいるとのこと。
研修では仕込みから熟成管理、瓶詰め、販売まで一連の流れを実践形式で学べます。醸造所のタンク配置や配管の設計、税務帳簿の書き方まで教えてもらえるそうです。
費用の詳細は直接お問い合わせいただくのがベストですが、醸造所近くに社宅も用意されていて、住み込みで研修を受けることもできます。
訪問時も実際に1〜2名の研修生が在籍しているようでした。
人気のため枠が埋まりやすいので、興味がある方は早めに問い合わせてみてください。問い合わせ先はカマドブルワリーの公式サイト、またはメール(tonobeerpro@gmail.com)です。
余談:沖縄で出会ったカマドの繋がり
カマドブルワリーを訪問した翌週、沖縄市のクラフトビアバーhopped upでビールを飲んでいたときのこと。
たまたま隣に座った名古屋からの旅行客ご夫婦と話していると、「知り合いがカマドブルワリーで修行中なんです」という言葉が飛び出しました。
沖縄のビアバーで、岐阜の小さなブルワリーの話が出てくるとは思わなかった。カマドブルワリーの繋がりが全国に広がっているんだなと実感した瞬間です。
アクセス・営業情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | CAMADO BREWERY(カマドブルワリー) |
| 住所 | 〒509-6472 岐阜県瑞浪市釜戸町3154-3 |
| 最寄駅 | JR中央本線 釜戸駅から徒歩約3分 |
| ビアバー営業 | 金 18:00〜22:00 / 土 12:00〜22:00 / 日 12:00〜19:00(※月により変動。Instagramで要確認) |
| 工場見学 | 土日祝に不定期開催(じゃらん経由で予約、最小2名〜) |
| 電話 | 0572-51-2620 |
| 公式サイト | CAMADO BREWERY 公式サイト |
| @camado_brewery | |
| オンラインストア | CAMADO BREWERY ONLINE STORE |
※営業時間・価格は変更の可能性があります
オンラインストアの注意点: カマドブルワリーのビールは発売開始3分で完売することもあるほど人気です。入荷情報はInstagramで告知されるので、フォロー必須。
名古屋からのアクセスは、JR中央本線で約50分。名古屋方面から日帰りで十分楽しめる距離です。
カマフェス:年2回のビアフェスティバル
カマドブルワリーでは年に2回、「カマフェス」というビアフェスティバルを開催しています。
直近の開催予定はこちら。
- カマフェス春 2026: 2026年4月11日(土)11:00〜16:00。全国4ブルワリーの樽生が勢揃いし、限定のかまどパンも提供予定
- カマフェス秋 2026: 2026年10月17日(土)。醸造長・丹羽さんの醸造30周年記念として、全国のレジェンドブルワーが集結予定
チケットはカマドブルワリーのSTORESで販売されています。特に秋の30周年記念は特別なイベントになりそうです。
今回紹介した関連商品
カマドブルワリーのビールはAmazon・楽天では購入できません(公式STORESのみ)。
自宅でクラフトビールの世界を楽しみたい方には、以下の飲み比べセットがおすすめです。
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【送料無料】銀河高原ビール&COEDO(コエド)&よなよなエール 飲み比べ 350ml×12缶 父の日 お中元 お歳暮
IPAに興味を持った方は、まずは国産クラフトビールの飲み比べセットで色んなスタイルを試してみるのがおすすめ。ヘイジーIPA、ウエストコーストIPA、ペールエールの違いがわかってくると、ビアバーでの注文がもっと楽しくなります。
まとめ
名古屋のENDOJI BREWINGでたまたま出会ったカマドブルワリーの1杯。「RESPECT」。それがきっかけで、岐阜県瑞浪市の山あいにある釜戸まで足を運ぶことになりました。
実際に訪れてみて感じたのは、ビールそのもののクオリティはもちろん、「体験」として飛び抜けているということ。
2024年にはビアワングランプリ総合優勝を果たし、実力も折り紙付き。美濃焼のグラスで飲むビール、自家醸造ビールで作った料理、レジェンド醸造家が手がける多彩なタップリスト。どれも現地でしか味わえないものばかりです。
さらに2026年3月にはパン屋「かまどパン」がオープン予定で、ビールとパンの「パン飲み」体験も加わります。ブルワリー開業後1年で13人が釜戸に移住したという話もあり、この小さな醸造所が地域そのものを変えつつあります。
名古屋からの日帰りビール旅に、カマドブルワリーは間違いなくおすすめの1軒です。
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