- 1Password → Bitwardenの移行はエクスポート&インポートで10分で完了
- Bitwardenは無料プランでもパスワード数・デバイス数の制限なし
- iPhone × Brave(Chrome)の組み合わせは保存提案が出ない点に注意
1Passwordは優秀なパスワード管理ツールですが、料金やサポート体制に不満を感じて乗り換えを検討する人もいるのではないでしょうか。
自分もソースネクスト版1Passwordのサポートトラブルをきっかけに、無料で使えるBitwardenへの移行を決めました。
実際にやってみると、データ移行はあっという間。ただし初期設定やブラウザ・スマホとの連携で「あれ?」となるポイントもいくつかあったので、この記事ではつまずきポイントも含めてまとめます。
Bitwardenとは
Bitwarden(ビットウォーデン)は、2016年にリリースされたオープンソースのパスワード管理ツールです。
最大の特徴は、無料プランでも制限がほぼないこと。パスワードの保存数は無制限、デバイス数も無制限、複数デバイス間の同期も無料で使えます。
公式は2018年から「Free Forever(永遠に無料)」と明言しており、突然有料化で締め出されるリスクも低いと言えます。
無料プランと有料プランの違い
| 機能 | 無料 | 有料($10/年) |
|---|---|---|
| パスワード保存数 | 無制限 | 無制限 |
| デバイス数・同期 | 無制限 | 無制限 |
| パスワード生成 | ○ | ○ |
| ブラウザ拡張の自動入力 | ○ | ○ |
| 2段階認証(メール・WebAuthn) | ○ | ○ |
| TOTP(ワンタイムパスワード)生成 | × | ○ |
| 添付ファイル保存(1GB) | × | ○ |
| セキュリティレポート(漏洩チェック) | × | ○ |
1Passwordの無料状態との決定的な違い
ここが移行を決めた最大の理由です。
1Passwordはサブスクリプションが切れる(または体験期間が終了する)とアカウントがフリーズ状態になり、既存パスワードの閲覧はできても、新規アイテムの保存や編集ができなくなります。つまり、お金を払い続けないと実質的に使えません。
一方、Bitwardenは無料プランでもパスワードの新規保存・編集・削除がすべて可能。有料プランとの違いはTOTPや添付ファイルなどの付加機能だけで、パスワード管理の基本機能に制限はありません。
1Passwordとの違い(UIと使用感)
移行前に一番気になるのは「使い勝手がどう変わるか」だと思います。
自動入力の挙動が違う。 1Passwordはサイトにアクセスすると自動でポップアップして候補を出してくれますが、Bitwardenはショートカット Cmd+Shift+L(Windows: Ctrl+Shift+L)で自動入力するのが基本の使い方です。
設定で「ページ読み込み時にインライン自動入力メニューを表示する」をONにすれば、フォームにカーソルを合わせたときに候補が表示されるようになります。1Passwordに近い動きにはなりますが、フィッシングサイトで誤入力するリスクもあるので、ショートカット派の方が安全ではあります。
UIはシンプル。 1Passwordの洗練されたデザインと比べると、Bitwardenはかなり質素です。ただし機能的に不足があるわけではなく、慣れれば問題なく使えます。
新規パスワード保存の提案がやや弱い。 1Passwordは新しいサイトにログインするとスマートに保存を提案してくれますが、Bitwardenは画面上部にバナーが出る形式。最初は見落としやすいです。
移行手順(10分で完了)
Step 1: 1Passwordからエクスポート
1Passwordのデスクトップアプリを開いて、ファイル → エクスポート → アカウント名 をクリック。
マスターパスワードを入力し、エクスポート形式は「1PUX」を選択して「データをエクスポート」。
Step 2: Bitwardenアカウントを作成
Bitwarden公式サイトの右上「始めましょう」からアカウント作成。
マスターパスワードは復元不可能なので、絶対に忘れないものを設定してください。他のサービスとの使い回しも厳禁です。
Step 3: Bitwardenにインポート
Web保管庫(vault.bitwarden.com)にログインし、ツール → データをインポート へ。
- 保存先: 「保管庫」のまま
- ファイル形式: 「1Password (1pux)」 を選択
- Step 1で保存したファイルを指定して「データをインポート」
Step 4: エクスポートファイルを削除
エクスポートしたファイルは暗号化されていない平文です。インポートが確認できたら、即削除。ゴミ箱からも完全に消すこと。
インポートエラーが出たら
自分も最初「インポート エラー:何もインポートされませんでした。」が出て焦りました。
原因はファイル形式の選択ミス。.1puxファイルなのに「1Password (csv)」を選んでいた、というパターンです。エクスポートしたファイルの拡張子と、インポート画面のファイル形式が一致しているか確認してください。
| エクスポート形式 | インポートで選ぶ形式 |
|---|---|
| .1pux | 1Password (1pux) |
| .csv(Mac) | 1Password 6 & 7 Mac (csv) |
| .csv(Windows) | 1Password 6 & 7 Windows (csv) |
初期設定(これだけやっておけばOK)
データ移行が終わったら、以下の3つを設定します。
1. 2段階認証を有効化
最優先で設定すべき項目。 マスターパスワードが万が一漏れても、2段階認証があればログインを防げます。
Web保管庫(vault.bitwarden.com)→ 設定 → セキュリティ → 二段階認証 → 認証アプリ(TOTP)を有効に。
リカバリーコードも必ず控えておくこと。 スマホを紛失した場合のバックアップになります。
2. 保管庫のタイムアウト設定
Chrome拡張のアイコン → 設定 → セキュリティ で設定。
- タイムアウト: 「ロック時」がおすすめ(Mac閉じたときだけロック)
- タイムアウト時のアクション: 「ロック」を選択
「ログアウト」にするとマスターパスワード+2FAを毎回求められるので、「ロック」の方が実用的です。
3. Chromeのパスワード保存をOFF
Bitwardenと競合して「どっちに保存する?」が毎回出るのを防ぎます。
Chromeのアドレスバーに chrome://password-manager/settings と入力。
- 「パスワードとパスキーを保存するか確認する」→ OFF
- 「自動ログイン」→ OFF
ブラウザ・スマホ別の注意点
PC(Chrome / Brave)
Chrome拡張をインストールすれば基本的に問題なし。
新規パスワードの保存バナーが出ない場合は、拡張の 設定 → 通知 で以下をON。
- 「ログイン情報の追加を提案する」→ ON
- 「ログイン情報の変更を提案する」→ ON
Braveでも同じ拡張が使え、保存バナーも表示されます。
iPhone(Safari)
一番Bitwardenと相性が良い組み合わせ。
設定 → パスワード → パスワードオプション → 自動入力 でBitwardenをON。キーチェーンや1Passwordなど他のプロバイダーはOFFにする。
自動入力も保存提案もスムーズに動きます。
iPhone(Brave / Chrome)
ここが一番のつまずきポイント。
iOSのサードパーティブラウザ(Brave・Chrome)はSafariと違い、iOSの自動入力フレームワークとの連携が弱いです。
具体的には、新規パスワードの保存提案バナーが出ません。
対処法は2つ。
Safariに切り替える。 パスワード管理の観点だけで言えば、iPhoneではSafariが一番ストレスなく使えます。
Braveのままで手動運用。 新しいサイトにログインしたらBitwardenアプリを開いて + ボタンから手動追加。既存パスワードの自動入力は、キーボード上部の候補から呼び出せます。
頻繁に新しいサイトに登録するわけでなければ、新規分だけ手動で割り切るのが現実的です。
まとめ
1PasswordからBitwardenへの移行は、想像よりずっと簡単です。
エクスポート→インポートでデータは一発で移行できるし、無料プランでもパスワード数・デバイス数は無制限。日常のパスワード管理で困ることはありません。
ただし、1Passwordほどの自動入力のスマートさやUIの洗練度は期待しない方がいいです。ショートカットでの入力やバナー形式の保存提案など、操作感の違いは確実にあります。
そしてiPhoneでBraveやChromeを使っている場合は保存提案が出ない点も、事前に知っておくとストレスが減ります。